長野中央署を出る青木政憲容疑者=28日午前
長野県中野市で4人が殺害された事件で、警察官1人に対する殺人容疑で逮捕された農業青木政憲容疑者(31)が、4人を襲撃後、駆け付けた別の警察官にも猟銃を向けていたことが28日、近隣住民らへの取材で分かった。現場に近づこうとした警察官を威嚇した可能性があるとみて、県警は当時の状況を調べている。
青木容疑者は25日夕、中野市江部の村上幸枝さん(66)と竹内靖子さん(70)を刃物で襲撃した後、通報で駆け付けた中野署地域課の玉井良樹警部補(46)と池内卓夫巡査部長(61)の乗ったパトカーの窓越しに発砲、2人を射殺したとされる。
近隣住民によると、青木容疑者はその後、近寄ろうとした警察官に銃を向けたが、発砲せずに自宅に戻り、そのまま立てこもった。約12時間後の26日未明に投降し、身柄を確保された。
死亡した女性2人は一緒に散歩をしていたとみられ、捜査関係者によると、青木容疑者は「(女性2人に)自分が周囲から孤立しているように悪く言われた」という趣旨の供述をしている。