長野県で起きた猟銃発砲立てこもり事件。
取材を進めると、青木政憲容疑者(31)の“ゆがんだ感情”が見えてきました。
めざまし8が取材したのは、学生時代の青木容疑者を知る人物。中学時代は野球部に所属し、真面目に勉強していた印象だったといいます。
容疑者の中学時代の同級生:おとなしい子で、真面目な子だったので。室内によく居たイメージです、野球部だったのに。
中野市議会の議長で地元の名士として知られる青木正道氏の長男として生まれ、恵まれた家庭で育ったように思える容疑者。
しかし、中学校時代の卒業文集にはこんな“悩み”をつづっていました。
「この世の中で最も大切なものは『命』だと思います」
「二番目は何かと問われたら私は間違いなく『金』と答えるでしょう」
「自分も将来は、ワーキングプア(働く貧困層)に陥るのではないかと心配であります」
「金さえあれば、何でもできるという事であります」
文集につづった「命」の大切さと、将来への不安。さらに近隣住民は、大学に進学後、青木容疑者に変化があったと話します。
近隣住民:一度大学に入ったんですよ。だけど人付き合いがうまくいかなくて、「いやだな」って帰って来ちゃったって。
近隣住民:大学在学中に、なんか精神的なそういうのになっちゃって、それで学校辞めてきたみたいだから。高校まではいい人だったって話は聞いているけどね。
東京の大学へ進学するも、人間関係が原因で中退し地元に戻ってきたといいます。
地元に戻ってからは、13代続く果樹農園を父親から任されたという青木容疑者。農園の名前は「マサノリ園」。
青木親子を知る人:正道さん(容疑者の父親)は「長男が農業を引き継いでくれたおかげで、市議会議員の仕事に専念できる」と話していました。
その後、果樹農園の果物を材料にしたジェラードの店を開店したものの、青木容疑者は仕事には一切関わっていなかったといいます。
近隣住民:お父さんもね「(店を出して)借金いっぱいあるから、頑張らなきゃいけない」とは言っていましたよ。
次第に店だけではなく、父親の選挙活動にも姿を見せなくなっていったという青木容疑者。そんな中、のめりこんでいったのが…。
近隣住民:クレー射撃は、前によく練習に行ってたって話は聞きました。(銃の扱いは)手慣れていると思いますね。
警察は、青木容疑者の自宅から散弾銃や空気銃などの猟銃、あわせて4丁を押収。谷国家公安委員長によると、青木容疑者は長野県公安委員会から、猟銃や空気銃の所持許可を得ていたといいます。
容疑者を知る人:趣味の話になったので、(容疑者は)うれしそうな顔をして「鳥とか撃ったりしますよ」と話していました。
しかし、容疑者が所属していた猟友会の会長に話を聞くと「害獣駆除などで活動しているところを見たことがない」ということです。
父の正道氏は事件後、5月26日付けで議員辞職しました。警察はさらに詳しい状況などを調べています。
(「めざまし8」5月29日放送)