兵庫県神戸市で山口組傘下組織の組長が何者かによって射殺された。事件の発生場所は地元で人気のラーメン店で、組長は店主だった。なぜ組長はこんな変わった“二足の草鞋”を履いていたのか。組長が利用していたSNSには、「ラーメン愛」と「家族愛」に溢れた数多くの写真が投稿されていた。
***
【写真】ヤクザにはまったく見えない優しい表情で写真に収まる余島さん一杯750円の「テールラーメン」が人気 亡くなったのは特定抗争指定暴力団「山口組」弘道会傘下組織組長の余嶋学さん(57)。22日午前11時過ぎ、神戸市長田区東尻池町のラーメン店「中華そば 龍の髭」で、頭から血を流して倒れているところを女性従業員に発見された。
現役暴力団組長が作っていた「テールラーメン」。地元で人気だった(余嶋学さんのInstagramより)「倒れていた場所は厨房で、口の中から拳銃のようなもので撃たれていた。抗争事件の可能性もあり、県警は捜査本部を設置して犯人の行方を追っています」(県警担当記者) 世間を驚かせたのは、余嶋さんがこのラーメン店の店主だったことだ。「龍の髭」は、地元では「テールラーメン」が美味いと評判の人気店だった。 骨付きの牛テールがゴロリと入った出汁の効いていそうなラーメンである。値段は750円。食べログは3.49とまずまずの評価で、〈やっぱりどこまでも優しい滋養溢れる牛テールスープが一番好きや〉〈いつもの優しそうなオジサンがお出迎え〉といった書き込みが連なっている。〈お勘定の時に、味つき玉子が無料か、生ビールが半額になるサービス券をオジサンが渡してくれる〉などのサービスもあったようだ。ラーメンと孫の写真が投稿されたSNS 店内には〈骨まで愛するアナタに捧げる渾身のこの命(一杯)〉とラーメン作りにかける思いが記された紙も貼られていた。どうやら、客は現役の暴力団組長が経営するラーメン店とは気づかずに通っていたようだ。 さらに驚かされるのは、余嶋さんが利用していたInstagramである。887枚の写真が投稿されているが、その多くが、余嶋さんが全国で食べ歩いてきたラーメンである。〈5日間で3回目行った〉〈チャーシューはゴツく食べ応えあり〉などの寸評もあり、研究熱心な余嶋さんのラーメン愛が伝わってくる。 次いで出てくるのが家族写真。〈娘と孫と大阪までラーメンを食べに行ってその後は元町のケーキを買いました〉〈娘の誕生日祝いにハーバーランドに行ってきました。孫も来てくれました〉。一連の投稿からはコワモテのヤクザとはかけ離れた、家族思いの優しいお父さんしか浮かんでこないのである。 実際、余嶋さんはヤクザから足を洗おうとしていたという情報もある。「神戸に唯一進出している弘道会系組長として頑張っていましたが、上納金が払えなくなるほど行き詰まり、組は解散状態だったと聞いています。数年前から生活のためにラーメン屋を始めた模様です」(事情通)”一人組長”が増えている 自身も暴力団員だった過去を持つ VTuber(バーチャルYouTuber)の懲役太郎氏は「ヤクザがいよいよ食えなくなってきたことを示した事件」と語る。「暴対法ができてからシノギが減っていき、カタギになりすまして、土木、タクシー、飲食業などの正業に就いて働いているヤクザが増えています。余嶋さんのように組員を養うことができない、名ばかりの“一人組長”も少なくありません。だったらカタギになればいいと思うかもしれませんが、弘道会のように厳しい会則を持つ組織では簡単に辞めさせてもらえません。“進むも地獄、退くも地獄”の状態に追い込まれているヤクザが増えているのです」 余嶋さんがどのようなトラブルに巻き込まれて殺されたのかはまだわかっていない。地元民に愛されていたラーメンが食べられなくなってしまったことは残念なことである。デイリー新潮編集部
亡くなったのは特定抗争指定暴力団「山口組」弘道会傘下組織組長の余嶋学さん(57)。22日午前11時過ぎ、神戸市長田区東尻池町のラーメン店「中華そば 龍の髭」で、頭から血を流して倒れているところを女性従業員に発見された。
「倒れていた場所は厨房で、口の中から拳銃のようなもので撃たれていた。抗争事件の可能性もあり、県警は捜査本部を設置して犯人の行方を追っています」(県警担当記者)
世間を驚かせたのは、余嶋さんがこのラーメン店の店主だったことだ。「龍の髭」は、地元では「テールラーメン」が美味いと評判の人気店だった。
骨付きの牛テールがゴロリと入った出汁の効いていそうなラーメンである。値段は750円。食べログは3.49とまずまずの評価で、〈やっぱりどこまでも優しい滋養溢れる牛テールスープが一番好きや〉〈いつもの優しそうなオジサンがお出迎え〉といった書き込みが連なっている。〈お勘定の時に、味つき玉子が無料か、生ビールが半額になるサービス券をオジサンが渡してくれる〉などのサービスもあったようだ。
店内には〈骨まで愛するアナタに捧げる渾身のこの命(一杯)〉とラーメン作りにかける思いが記された紙も貼られていた。どうやら、客は現役の暴力団組長が経営するラーメン店とは気づかずに通っていたようだ。
さらに驚かされるのは、余嶋さんが利用していたInstagramである。887枚の写真が投稿されているが、その多くが、余嶋さんが全国で食べ歩いてきたラーメンである。〈5日間で3回目行った〉〈チャーシューはゴツく食べ応えあり〉などの寸評もあり、研究熱心な余嶋さんのラーメン愛が伝わってくる。
次いで出てくるのが家族写真。〈娘と孫と大阪までラーメンを食べに行ってその後は元町のケーキを買いました〉〈娘の誕生日祝いにハーバーランドに行ってきました。孫も来てくれました〉。一連の投稿からはコワモテのヤクザとはかけ離れた、家族思いの優しいお父さんしか浮かんでこないのである。
実際、余嶋さんはヤクザから足を洗おうとしていたという情報もある。
「神戸に唯一進出している弘道会系組長として頑張っていましたが、上納金が払えなくなるほど行き詰まり、組は解散状態だったと聞いています。数年前から生活のためにラーメン屋を始めた模様です」(事情通)
自身も暴力団員だった過去を持つ VTuber(バーチャルYouTuber)の懲役太郎氏は「ヤクザがいよいよ食えなくなってきたことを示した事件」と語る。
「暴対法ができてからシノギが減っていき、カタギになりすまして、土木、タクシー、飲食業などの正業に就いて働いているヤクザが増えています。余嶋さんのように組員を養うことができない、名ばかりの“一人組長”も少なくありません。だったらカタギになればいいと思うかもしれませんが、弘道会のように厳しい会則を持つ組織では簡単に辞めさせてもらえません。“進むも地獄、退くも地獄”の状態に追い込まれているヤクザが増えているのです」
余嶋さんがどのようなトラブルに巻き込まれて殺されたのかはまだわかっていない。地元民に愛されていたラーメンが食べられなくなってしまったことは残念なことである。
デイリー新潮編集部