東京都青梅市の障害者施設「自立支援塾おざくSS」で職員が入所者に暴行した事件で、都は31日、障害者総合支援法に基づき、同施設の障害福祉サービス事業者の指定を取り消すと発表した。
また、虐待や不正請求が新たに確認されたとして、おざくSSを運営する法人の別の3施設についても指定取り消しを決めた。
発表によると、おざくSSでは昨年3月、職員の男が入所者の男性の顔をグラブで殴ったほか、2021年11~12月には別の職員の男が、入所者の顔を足で踏みつけるなどした。グラブで殴られた男性はその後に死亡した。職員2人は警視庁に逮捕された。
逮捕後に行った都の監査で、運営法人の「自立支援塾」(白井理子・代表理事)が運営する別の2施設でも、職員が入所者を虐待していたり、虐待防止の体制整備が不十分だったりしたことが判明。また、同法人が運営する就労支援施設では18年1月~22年7月、架空請求で給付費計約2億2800万円を国や都などから不正に受け取っていたことも明らかになった。
指定が取り消されると、施設は運営できなくなる。4施設の利用者は延べ約70人。都は指定取り消しとなる6月末までの間に、利用者の受け入れ先を探すよう同法人に指導した。