大阪市の松井一郎市長は6日、任期満了を迎え、約20年間の政治家人生について「住民の方から温かい声をかけてもらい、100点満点ではないが一定の評価をいただけたのでは」と振り返り、「すがすがしい気持ち。やるだけやったから何の後悔もない」と語った。
現在行われている統一地方選の前半戦が終わり次第、政界を引退する。市役所で記者団の取材に応じた。
自身が最も注力した行政課題については「財政再建。財源がないとサービスは提供できない」と強調。地域政党「大阪維新の会」の創設者として実現を目指した党の看板政策「大阪都構想」が過去2回の住民投票で否決されたことは「有権者は『満足度が上がっているから今のままで』となったのでは。ジレンマはあるが、ありがたい」と述べた。
3回目の住民投票は「次の世代で判断すればいい。東京が都になるのに50年かかった。住民の理解を得るのは至難の業だ」とした上で、後進の維新メンバーには「初心を忘れず、身分にこだわらずに公約を実現してほしい。バッジを失いたくないという思いがあると大間違いをする」と戒めた。
今後の活動については、共に維新を創設した橋下徹氏の所属事務所にマネジメントを依頼すると明かし、「橋下さんとユーチューブで無責任に世相を切っていこうかな」と語った。