滋賀県愛荘町で同居人男性に食事を与えず暴行し、死亡させたとして傷害致死などの罪に問われた無職小林久美子被告(57)の裁判員裁判で、大津地裁は24日、求刑通り懲役24年の実刑判決を言い渡した。
公判では、被害者が受けた凄惨(せいさん)な虐待の実態が明らかになり、判決では「ストレスのはけ口としてもてあそんだ」として被告の行為を指弾した。
判決によると、小林被告は元少年(21)(1審で懲役11年の実刑判決、控訴中)と共謀。2019年6~10月、小林被告宅で岡田達也さん(当時25歳)を骨折させたり、食事制限をしたりして衰弱させ、死亡させた。
岡田さんの死亡時の体重は36・8キロ。小林被告が9月以降、岡田さんには数日に1回の食事しか与えず、少量のご飯に腐ったみそ汁をかけたものなどだった。
これまでの公判では、岡田さんの父親が意見陳述し、「変わり果てた息子を見て、残酷すぎて事実を受け入れられず立ち尽くした」と振り返った。
この日の判決で、畑山靖裁判長は小林被告の動機について「自己のゆがんだ欲望を満たそうと犯行に及んだ」と指摘した。