SNSで見かける、落としものや忘れものを発見し、現物の写真とともにアップしている投稿。“落とし主が困っているだろう”“忘れたと焦っているのでは”との親切心による行動ですが、「これは避けて欲しい」と指摘するのは落としもの・忘れものを取り扱う職の従事者。
【写真】なぜSNSで拾得物の投稿をしてはいけないのか…実際に投稿されたツイート駅や電車内での落としものや忘れものを取り扱う駅員の投稿を紹介するとともに、大阪府警に取材しました。最近は、落としもの・忘れものに関する問い合わせ方法が進化しているので併せて紹介します。

駅員からの切なるお願い「某会社で駅員してますが… 拾得した遺失物をSNS等に載せて拡散しないで下さい。載せるにしても細かい情報まで載せないで下さい。写真なんてもっての外です! 拾った本人は親切心でしていると思いますが、本当にやめて下さい。これで何が起こるのか… 直ぐに想像出来ると思います」大きな反響となったのは、鉄道会社で勤務するTiさん(@MXPA12_GR_Flint)のツイート。「細かい情報はつぶやかないで」「写真は挙げないで」と呼びかけたのは、それを目にした第三者が「落とし主は私です」と名乗り出る可能性があるから。本人の顔写真がある落としもの・忘れものなら確認できますが、そうでないものの場合、落としもの・忘れものそのものの特徴(色や形、大きさなど)を聞き、合致すれば引き渡すことになります。しかし、色や形などの特徴を把握すれば、本来の落とし主ではない別人の手に渡ってしまうケースも。Tiさんは「遺失物の誤渡しは、本来の落とし主に多大な迷惑をかける事になるので、絶対にあってはならない事です。ちなみに、遺失物をあたかも自分の物と偽って引取りをすると、犯罪になります」と投稿しました。コメント欄には、「今後は拡散しないようにします」「落とし物は情報拡散せずに交番に預けるのが1番」「善意が仇になる行為」「上げた本人の行動範囲がばれてしまうことを考えるととても怖い」などの声が。「そんなことする人いるの?」との問いかけには「実際にいるのです… 財布関係は割と多めです」と返答した上で、「善意なら、なにもせずに駅内なら駅員に、列車内なら乗務員か、乗務員に渡す暇がなければ駅員へ届けて頂ければ有難いです」と伝えています。「お客さま自身が、忘れたり、落としたりしない事が一番の防衛手段になるので、電車を降りる際は一度自分が座っていた座席等を振り返って見てみましょう」と注意を促しました。大阪府警「SNSで拡散せず、警察署もしくは交番へ」落としものは、駅・電車内に限りません。大阪府警会計課に、落とし物についての対応をたずねました。「落としものを拾った人(拾得者)は、落とし主にすみやかに返還する、または最寄りの警察署もしくは最寄りの交番へ届ける義務が法で定められています。駅や商業施設など管理者のいる場所で拾った場合は、駅員や店舗従業員など施設の管理者に届けてください。落としものをそのまま自分のものにすることは、遺失物横領罪に問われる可能性があります」と大阪府警会計課の担当者。落としものを見つけた人が、SNSで拡散するケースが多いことについては「本人の了解を得ずに個人情報を拡散することになり、プライバシーを侵害する可能性もあります」と解説。また、本人を装った別人が落としものを引き取る可能性があることも示唆。SNSで拡散することなく、警察などに届けることを再三促しました。警察庁は、警察庁遺失届情報サイトにて、落しものをした時・拾った時の望ましい行動を紹介。都道府県のサイトでは、落としものの届け出(遺失物届)や落としもの検索(拾得物件の公表ページ)を設けています。またJR東日本をはじめとする鉄道各社では、サイト上で駅・電車内での忘れものについての案内を発信。24時間いつでも忘れものについて捜索可能なチャットサービスを導入している企業も増えています。落しものを拾った場合はSNSに頼るのではなく警察や管理者に届け出る。便利なツールが増えても、これだけは遵守を。自分の行動が犯罪につながる可能性もあることを覚えておいてください。(まいどなニュース/Lmaga.jpニュース特約・宮前 晶子)
駅や電車内での落としものや忘れものを取り扱う駅員の投稿を紹介するとともに、大阪府警に取材しました。最近は、落としもの・忘れものに関する問い合わせ方法が進化しているので併せて紹介します。
「某会社で駅員してますが… 拾得した遺失物をSNS等に載せて拡散しないで下さい。載せるにしても細かい情報まで載せないで下さい。写真なんてもっての外です! 拾った本人は親切心でしていると思いますが、本当にやめて下さい。これで何が起こるのか… 直ぐに想像出来ると思います」
大きな反響となったのは、鉄道会社で勤務するTiさん(@MXPA12_GR_Flint)のツイート。「細かい情報はつぶやかないで」「写真は挙げないで」と呼びかけたのは、それを目にした第三者が「落とし主は私です」と名乗り出る可能性があるから。
本人の顔写真がある落としもの・忘れものなら確認できますが、そうでないものの場合、落としもの・忘れものそのものの特徴(色や形、大きさなど)を聞き、合致すれば引き渡すことになります。しかし、色や形などの特徴を把握すれば、本来の落とし主ではない別人の手に渡ってしまうケースも。Tiさんは「遺失物の誤渡しは、本来の落とし主に多大な迷惑をかける事になるので、絶対にあってはならない事です。ちなみに、遺失物をあたかも自分の物と偽って引取りをすると、犯罪になります」と投稿しました。
コメント欄には、「今後は拡散しないようにします」「落とし物は情報拡散せずに交番に預けるのが1番」「善意が仇になる行為」「上げた本人の行動範囲がばれてしまうことを考えるととても怖い」などの声が。
「そんなことする人いるの?」との問いかけには「実際にいるのです… 財布関係は割と多めです」と返答した上で、「善意なら、なにもせずに駅内なら駅員に、列車内なら乗務員か、乗務員に渡す暇がなければ駅員へ届けて頂ければ有難いです」と伝えています。
「お客さま自身が、忘れたり、落としたりしない事が一番の防衛手段になるので、電車を降りる際は一度自分が座っていた座席等を振り返って見てみましょう」と注意を促しました。
落としものは、駅・電車内に限りません。大阪府警会計課に、落とし物についての対応をたずねました。
「落としものを拾った人(拾得者)は、落とし主にすみやかに返還する、または最寄りの警察署もしくは最寄りの交番へ届ける義務が法で定められています。駅や商業施設など管理者のいる場所で拾った場合は、駅員や店舗従業員など施設の管理者に届けてください。落としものをそのまま自分のものにすることは、遺失物横領罪に問われる可能性があります」と大阪府警会計課の担当者。
落としものを見つけた人が、SNSで拡散するケースが多いことについては「本人の了解を得ずに個人情報を拡散することになり、プライバシーを侵害する可能性もあります」と解説。また、本人を装った別人が落としものを引き取る可能性があることも示唆。SNSで拡散することなく、警察などに届けることを再三促しました。
警察庁は、警察庁遺失届情報サイトにて、落しものをした時・拾った時の望ましい行動を紹介。都道府県のサイトでは、落としものの届け出(遺失物届)や落としもの検索(拾得物件の公表ページ)を設けています。またJR東日本をはじめとする鉄道各社では、サイト上で駅・電車内での忘れものについての案内を発信。24時間いつでも忘れものについて捜索可能なチャットサービスを導入している企業も増えています。
落しものを拾った場合はSNSに頼るのではなく警察や管理者に届け出る。便利なツールが増えても、これだけは遵守を。自分の行動が犯罪につながる可能性もあることを覚えておいてください。
(まいどなニュース/Lmaga.jpニュース特約・宮前 晶子)