海に落ちた50歳代女性の救助活動に貢献したとして、宮崎市は27日、宮崎県立宮崎西高3年の男子生徒3人に感謝状を贈った。
今月卒業式を迎えたばかりの3人は在学中、陸上部に所属しており、通報や救助の手伝いなどに分担してあたったという。「部活のチームワークが生きた。女性が助かってよかった」と話している。
市消防局などによると、女性は13日午後0時15分頃、宮崎市の青島漁港内で歩いていて海に転落。たまたま同漁港周辺で午前中から釣りをしていて帰ろうとしていた3人は、女性と一緒にいた夫が「助けて」と上げる声を聞き、約50メートル先の女性の転落現場に駆けつけた。
その後、1人の生徒がすぐに119番し、駆けつけてきた消防車や救急車を誘導。残る2人はその間、女性が沈まないように使えるものがないか周辺を探し、見つけたブイにロープを巻き付けて投げ入れ、それにつかまる女性に「大丈夫ですか」などと声をかけ続けた。女性は転落から約30分後、消防隊員に無事、救助された。
市役所で3人に感謝状を手渡した清山知憲市長は「3人で連携して市民の模範となるような救助活動をしてくれて感謝したい。とっさの行動で素晴らしい」とたたえた。
ブイやロープを使った救助活動にあたった生徒は「何かつかまるものがあればと思って走り回った。人命救助のお手伝いができて良かった」と笑顔。119番した生徒は「初めてのことで最初はパニックだったが、助けなきゃという思いで動いた。無事で良かった」と話し、もう1人も「素早く行動できたのは部活が一緒だったからこそ。一人一人が今できることを探して行動できた」と話していた。