2匹仲良く散歩しているのは、天然記念物の「甲斐犬」です。勇敢な性格で飼い主に忠実ですが、他人には警戒心が強いと言われています。
険しい山岳地帯でも耐えうる体力を持つ狩猟犬です。そんな甲斐犬がケージの中に入れられ、カメラに向かって激しく吠えています。
東京・八王子市で甲斐犬などを不衛生な環境で放置し、虐待したなどとして、動物愛護法違反の疑いで元ブリーダーの尾川隆容疑者(46)が逮捕されました。
尾川容疑者は販売目的で犬の繁殖を繰り返しましたが、思うように売れず、多い時で170匹以上が放置状態になっていました。
現場で犬の保護を手伝った男性は、次のように話します。
犬の保護を手伝った男性:「鼻をつんとつくようなにおいといいますか。給水機が緑色になっていて、コケが生えていたりとか」
こうした劣悪な環境について、東京都は2020年以降、68回にわたり行政指導や立ち入り調査を行っていました。
犬を保護した男性:「しっぽが半分くらいちぎれた子とか、耳の三角のてっぺんがなくなっている子とか。人にお世話をしてもらっていた犬じゃなかった」
尾川容疑者は警視庁の調べに対し、容疑を認めています。
尾川容疑者の供述:「半年から1年に1回交配させて繁殖していたが、自分で管理できる許容範囲を超えてしまった」
尾川容疑者の施設から見つかった100匹以上の犬は、ずべてボランティア団体などに引き取られたということです。