東京・杉並区で、自転車に乗った女性の顔にツバを吐きかけ、さらに足蹴りして転倒させるなどしたとして、36歳の男が逮捕された。女性に「謝ってください」と言われ、自転車のタイヤを蹴飛ばしたという。
アルバイトの前川晃大容疑者(36)は、去年9月27日午後、杉並区和泉の甲州街道で、自転車に乗っていた際、20代の女性が乗った自転車を追い抜きざまに、顔にツバを吐きかけ、相手の自転車を足蹴りして、転倒させたとされる。女性は、ヒジやヒザ、腰を打撲する軽傷を負った。逮捕容疑は、殺人未遂だった。
当時、女性は、甲州街道の自転車専用レーンを走行中だった。前川容疑者は、自転車で追く際に、女性の顔にツバを吐きかけ逃走。女性は追いかけ、170~180メートル先で、前川容疑者のリュックサックをつかみ、「謝ってください」と告げたとのこと。
すると、前川容疑者は、女性の自転車の前輪を蹴飛ばしたという。その衝撃で、女性は、交通量の多い車道側に倒れこんだとのこと。幸いにも、当時、現場には車が走行していなかった。その後、前川容疑者は、なおも自転車で逃げたという。
女性は、さらに150メートルほど追いかけた。そこで、前川容疑者は、甲州街道の反対側に渡ろうとしたとのこと。女性は、とっさに「あの人を捕まえて」と叫んだという。結局、前川容疑者は、その場で、近くにいた人に取り押さえられたとのこと。
現場には、警察官も駆けつけたが、被害者の女性と前川容疑者の間で、「やった」「やらない」の言い争いになったという。2人の間には面識はなかった。その日は、両者の言い分を聴取するにとどまったが、警視庁高井戸署が本格的な捜査を開始。
現場付近の防犯カメラや、行き交う車のドライブレコーダーの映像を解析した結果、一連の”犯行”が裏付けられたという。前川容疑者自身が着けていたウェアラブルカメラの映像も、有力な証拠になったようだ。
高井戸署は、1月31日、殺人未遂の疑いで、前川容疑者を通常逮捕した。わざと、交通量の多い、車道側に蹴飛ばしたことについて、殺意を認定した形となった。
調べに対して前川容疑者は容疑を否認。「走行中にツバを吐きかけたことについては、相手が思い込んでいることです。私が咳をした際に、相手にかかってしまった事実はありますが、わざとツバを吐きかけていません」と供述。
さらに、「相手の自転車を蹴り、通行量の多い道路で転倒させた点について、私は相手の自転車を蹴った覚えはありません」と話しているという。