関東など各地で相次いだ強盗事件で、「キム」と名乗る指示役が先月、東京都狛江市で起きた強盗殺人事件の前に、配下のメンバーに「狛江2時」「老人を殴れるか」などとメッセージを送っていたことが捜査関係者への取材でわかった。
警視庁は今後、フィリピンで拘束中の男らとの関連を調べる。
強盗殺人事件は1月19日に発生。狛江市の住宅で住人の大塩衣与さん(90)が両手を結束バンドで縛られ、殺害されているのが見つかった。室内から腕時計3点とダイヤの指輪の計4点(約60万円相当)が奪われた。
捜査関係者によると、腕時計3点は、事件翌日に足立区で見つかったレンタカー内に残されていた。車内からはスマートフォンも押収され、解析の結果、「キム・ヨンジュン」と名乗る人物が狛江市の事件前日に「明日案件がある」「狛江2時」などとメッセージを送っていた。さらに、「老人とか関係なく殴ることはできるか」「強盗や格闘技の経験はありますか」といったやり取りも確認された。
レンタカーを使っていたとされる永田陸人容疑者(21)(金沢市)は、一連の事件のうち昨年12月に東京都中野区で起きた強盗致傷事件に関与した疑いで逮捕された。永田容疑者は調べに対し、「スマホは自分の物ではない。腕時計は友人からもらった」などと供述したという。
「キム」は一連の強盗事件で「ルフィ」などとともに指示役として浮上している。一部の容疑者のスマホにはフィリピン国内からの着信履歴があり、警視庁はフィリピンで拘束されている渡辺優樹容疑者(38)(窃盗容疑で逮捕状)らとの関連を捜査する。