平均年収443万円――これでは普通に生活できない国になってしまった。なぜ日本社会はこうなってしまったのか?
話題の新刊『年収443万円 安すぎる国の絶望的な生活』では、〈昼食は必ず500円以内、スタバのフラペチーノを我慢、月1万5000円のお小遣いでやりくり、スマホの機種変で月5000円節約、ウーバーイーツの副業収入で成城石井に行ける、ラーメンが贅沢、サイゼリヤは神、子どもの教育費がとにかく心配……〉といった切実な声を紹介している。
ここでは、「不妊治療に対する経済的不安……「リーマン氷河期世代」の憂鬱」と題した「年収450万円」33歳男性へのインタビューをお届けする(前回はこちら)。
不妊治療と仕事の両立はキツそう……今まで、子育てしながら働きやすい会社には厚生労働省が「くるみん」認定をしてきたじゃないですか。それが今度、2022年4月から不妊治療と仕事を両立しやすい企業に「くるみんプラス認定」ができて、世の中の流れが変わっていると感じました。僕も会社に相談したら、費用の負担は無理でしたが、休みはなんとか融通してくれると。ああ、勤める会社によって差があるなぁ。職場には独身者が多くて、既婚者は4分の1しかいないんで、なかなか理解はしてもらえないんでしょうか。簡単に子どもをもてない人が増えていて、前に勤めていた運送会社の元同僚も20代でもなかなか子どもができずに悩んでいて。タイミング法があるじゃないですか、排卵日を狙っての。仕事で疲れて夜中に帰って性行為して。朝また起きて出勤して、死にそうになりながら電車を運転しているんです。排卵のあるその週は、もう、死にそうですよ。エナジードリンクでごまかして。不妊治療と仕事の両立、正直、キツイです。日々の生活でも大変なのに、不妊治療は厳しいですよ。共働きでないと無理じゃないかな。もし、僕の手取りがあと5万円増えて月30万円だと、変わるかなぁ。手取り25万円あれば地元では良いほうだけど、それでも、やっぱり、理想は手取り30万円。そうすれば、このキツイと思う気持ちが変わりそうです。 「リーマン氷河期世代」の憂鬱僕ら、2008年に起こったリーマンショック後に就職活動をした「リーマン氷河期世代」も気にかけてほしい。リーマンショックの余波のあった僕たち2012年卒の氷河期世代も、内定がとれたのはブラック企業だった。そこで病んで辞めていったのは、僕だけじゃないんです。でも、やっぱり、僕たちより上の、40代の就職氷河期世代は悲惨だったと思います。運送会社で働いていた時、40代の社員は大学を出ても仕事がなくて職を転々としていた人が多かった。40代後半の男性社員が、「結婚はしない。高望みしなければ生きていける。アパートで猫と暮らして、猫の餌代を稼いで、車を維持できれば、それでいい」と言っていました。すごく仕事のできる尊敬できる人でした。安月給、見えない将来。どうしていいか分からなかった。そういう閉塞感があって、やっとそこから抜け出して、それなりに給与をもらっても社会保険料をバカみたいにとられて、税金もたくさん引かれてしまう。だから、手取りでみたら収入が高いわけでもない。どんだけ国から搾取されているの? 年金だってもらえるわけじゃないし、アホらしいですよ、ほんま。社会に出た時期によって、世代によって、運命が変わる。苦労するか、良い暮らしができるか。そんな差があっていいんですか? なんで国はそういうつらい目に遭っている人にお金を出して救わないのか。僕は今、不妊治療にどれだけお金がかかるのか悩んで、車を買うか買わないかを迷っている。生活だって、子どもがいなくて夫婦共働きだからなんとかなっている。できるだけお金を残すために節約して、残業して収入を増やすしかない。それが現実です、ホントに……。働いて、税金を納めて、社会が成り立つようにしないと。日々、やっていくしかないんです。
不妊治療と仕事の両立はキツそう……今まで、子育てしながら働きやすい会社には厚生労働省が「くるみん」認定をしてきたじゃないですか。それが今度、2022年4月から不妊治療と仕事を両立しやすい企業に「くるみんプラス認定」ができて、世の中の流れが変わっていると感じました。僕も会社に相談したら、費用の負担は無理でしたが、休みはなんとか融通してくれると。ああ、勤める会社によって差があるなぁ。職場には独身者が多くて、既婚者は4分の1しかいないんで、なかなか理解はしてもらえないんでしょうか。簡単に子どもをもてない人が増えていて、前に勤めていた運送会社の元同僚も20代でもなかなか子どもができずに悩んでいて。タイミング法があるじゃないですか、排卵日を狙っての。仕事で疲れて夜中に帰って性行為して。朝また起きて出勤して、死にそうになりながら電車を運転しているんです。排卵のあるその週は、もう、死にそうですよ。エナジードリンクでごまかして。不妊治療と仕事の両立、正直、キツイです。日々の生活でも大変なのに、不妊治療は厳しいですよ。共働きでないと無理じゃないかな。もし、僕の手取りがあと5万円増えて月30万円だと、変わるかなぁ。手取り25万円あれば地元では良いほうだけど、それでも、やっぱり、理想は手取り30万円。そうすれば、このキツイと思う気持ちが変わりそうです。 「リーマン氷河期世代」の憂鬱僕ら、2008年に起こったリーマンショック後に就職活動をした「リーマン氷河期世代」も気にかけてほしい。リーマンショックの余波のあった僕たち2012年卒の氷河期世代も、内定がとれたのはブラック企業だった。そこで病んで辞めていったのは、僕だけじゃないんです。でも、やっぱり、僕たちより上の、40代の就職氷河期世代は悲惨だったと思います。運送会社で働いていた時、40代の社員は大学を出ても仕事がなくて職を転々としていた人が多かった。40代後半の男性社員が、「結婚はしない。高望みしなければ生きていける。アパートで猫と暮らして、猫の餌代を稼いで、車を維持できれば、それでいい」と言っていました。すごく仕事のできる尊敬できる人でした。安月給、見えない将来。どうしていいか分からなかった。そういう閉塞感があって、やっとそこから抜け出して、それなりに給与をもらっても社会保険料をバカみたいにとられて、税金もたくさん引かれてしまう。だから、手取りでみたら収入が高いわけでもない。どんだけ国から搾取されているの? 年金だってもらえるわけじゃないし、アホらしいですよ、ほんま。社会に出た時期によって、世代によって、運命が変わる。苦労するか、良い暮らしができるか。そんな差があっていいんですか? なんで国はそういうつらい目に遭っている人にお金を出して救わないのか。僕は今、不妊治療にどれだけお金がかかるのか悩んで、車を買うか買わないかを迷っている。生活だって、子どもがいなくて夫婦共働きだからなんとかなっている。できるだけお金を残すために節約して、残業して収入を増やすしかない。それが現実です、ホントに……。働いて、税金を納めて、社会が成り立つようにしないと。日々、やっていくしかないんです。
今まで、子育てしながら働きやすい会社には厚生労働省が「くるみん」認定をしてきたじゃないですか。それが今度、2022年4月から不妊治療と仕事を両立しやすい企業に「くるみんプラス認定」ができて、世の中の流れが変わっていると感じました。僕も会社に相談したら、費用の負担は無理でしたが、休みはなんとか融通してくれると。
ああ、勤める会社によって差があるなぁ。職場には独身者が多くて、既婚者は4分の1しかいないんで、なかなか理解はしてもらえないんでしょうか。
簡単に子どもをもてない人が増えていて、前に勤めていた運送会社の元同僚も20代でもなかなか子どもができずに悩んでいて。タイミング法があるじゃないですか、排卵日を狙っての。仕事で疲れて夜中に帰って性行為して。朝また起きて出勤して、死にそうになりながら電車を運転しているんです。排卵のあるその週は、もう、死にそうですよ。エナジードリンクでごまかして。不妊治療と仕事の両立、正直、キツイです。
日々の生活でも大変なのに、不妊治療は厳しいですよ。共働きでないと無理じゃないかな。
もし、僕の手取りがあと5万円増えて月30万円だと、変わるかなぁ。手取り25万円あれば地元では良いほうだけど、それでも、やっぱり、理想は手取り30万円。そうすれば、このキツイと思う気持ちが変わりそうです。
「リーマン氷河期世代」の憂鬱僕ら、2008年に起こったリーマンショック後に就職活動をした「リーマン氷河期世代」も気にかけてほしい。リーマンショックの余波のあった僕たち2012年卒の氷河期世代も、内定がとれたのはブラック企業だった。そこで病んで辞めていったのは、僕だけじゃないんです。でも、やっぱり、僕たちより上の、40代の就職氷河期世代は悲惨だったと思います。運送会社で働いていた時、40代の社員は大学を出ても仕事がなくて職を転々としていた人が多かった。40代後半の男性社員が、「結婚はしない。高望みしなければ生きていける。アパートで猫と暮らして、猫の餌代を稼いで、車を維持できれば、それでいい」と言っていました。すごく仕事のできる尊敬できる人でした。安月給、見えない将来。どうしていいか分からなかった。そういう閉塞感があって、やっとそこから抜け出して、それなりに給与をもらっても社会保険料をバカみたいにとられて、税金もたくさん引かれてしまう。だから、手取りでみたら収入が高いわけでもない。どんだけ国から搾取されているの? 年金だってもらえるわけじゃないし、アホらしいですよ、ほんま。社会に出た時期によって、世代によって、運命が変わる。苦労するか、良い暮らしができるか。そんな差があっていいんですか? なんで国はそういうつらい目に遭っている人にお金を出して救わないのか。僕は今、不妊治療にどれだけお金がかかるのか悩んで、車を買うか買わないかを迷っている。生活だって、子どもがいなくて夫婦共働きだからなんとかなっている。できるだけお金を残すために節約して、残業して収入を増やすしかない。それが現実です、ホントに……。働いて、税金を納めて、社会が成り立つようにしないと。日々、やっていくしかないんです。
僕ら、2008年に起こったリーマンショック後に就職活動をした「リーマン氷河期世代」も気にかけてほしい。リーマンショックの余波のあった僕たち2012年卒の氷河期世代も、内定がとれたのはブラック企業だった。そこで病んで辞めていったのは、僕だけじゃないんです。でも、やっぱり、僕たちより上の、40代の就職氷河期世代は悲惨だったと思います。
運送会社で働いていた時、40代の社員は大学を出ても仕事がなくて職を転々としていた人が多かった。
40代後半の男性社員が、「結婚はしない。高望みしなければ生きていける。アパートで猫と暮らして、猫の餌代を稼いで、車を維持できれば、それでいい」と言っていました。すごく仕事のできる尊敬できる人でした。
安月給、見えない将来。どうしていいか分からなかった。そういう閉塞感があって、やっとそこから抜け出して、それなりに給与をもらっても社会保険料をバカみたいにとられて、税金もたくさん引かれてしまう。だから、手取りでみたら収入が高いわけでもない。どんだけ国から搾取されているの? 年金だってもらえるわけじゃないし、アホらしいですよ、ほんま。
社会に出た時期によって、世代によって、運命が変わる。苦労するか、良い暮らしができるか。そんな差があっていいんですか? なんで国はそういうつらい目に遭っている人にお金を出して救わないのか。
僕は今、不妊治療にどれだけお金がかかるのか悩んで、車を買うか買わないかを迷っている。生活だって、子どもがいなくて夫婦共働きだからなんとかなっている。できるだけお金を残すために節約して、残業して収入を増やすしかない。それが現実です、ホントに……。
働いて、税金を納めて、社会が成り立つようにしないと。日々、やっていくしかないんです。