関東など各地で相次いだ「闇バイト」に絡む強盗事件で、警視庁は11日、東京都中野区の事件に関与したとして川崎市高津区久末、土木作業員福嶋幸也容疑者(24)を強盗致傷容疑などで逮捕した。
この事件の逮捕者は8人目。警視庁は現場周辺にいた容疑者全員を逮捕したとし、ほかに「キム」と名乗る指示役らの関与を調べている。
発表によると、福嶋容疑者は仲間と共謀して昨年12月5日、中野区上高田の住宅に宅配業者を装って押し入り、住人男性(49)の顔を殴って約2週間のけがを負わせ、クローゼットにあった現金約3000万円を奪った疑い。
警視庁は、8人のうち大古(おおこ)健太郎容疑者(33)が現場の統括役、真栄城(まえしろ)健容疑者(31)が事件に使われたレンタカーの運転役、他の6人は住宅内に押し入った実行役とみている。
事件後、福嶋容疑者ら3人は徒歩で逃走したが、このうち和野正弘被告(34)(強盗致傷罪などで起訴)は現場から約40メートル先の路上で警察官に取り押さえられた。この際、被害金のうち約1000万円が路上に散乱し、回収された。
残る実行役らは車で逃走。このうち永田陸人被告(21)(同)と西本佑聖容疑者(22)は約5分後に大古容疑者が運転するレンタカーに乗り換え、3人で杉並区内のカラオケ店に約1時間半滞在後、解散したという。
大古、真栄城両容疑者は昨年10月に東京都稲城市で起きた強盗致傷事件でも逮捕されたほか、永田被告は、狛江市で1月19日に起きた強盗殺人事件の現場近くを走行したレンタカーを事件翌日に使っていた。
一連の事件では「ルフィ」や「キム」を名乗る人物がフィリピンから指示を出していたことが判明しており、警視庁は同国から強制送還された渡辺優樹容疑者(38)ら男4人(特殊詐欺事件の窃盗容疑で逮捕)との関連を調べている。