じつは夫が不倫をしていた――そんな事実をつきつけられた時、妻たちはどのような選択をするのでしょうか。
もちろんケースバイケースではあるものの、大きく分けると「不倫は絶対に許せないので、すぐにでも離婚したい」という”許せない派”と「不倫は許しがたいけれど、すぐには別れられない事情がある」という、本意ではないものの”許す派”のどちらかになるはず。
ここで誤解してはならないのが、仮に浮気や不倫をした夫に対し、妻が許し、離婚を免れたからといって、そこに愛情があるとは限らないという点です。「夫のことがまだ好きだから別れられない」「夫をほかの誰にもとられたくないから離婚したくない」というゆるぎない愛情がベースにあって夫を許すのではない、という場合もあるのです。
では、夫に浮気や不倫をされた「サレ妻」が「夫を許す」という結論を出した時、そこにはどんな思考があるのでしょうか。「別れたい」「別れたくない」といった感情だけでなく、許すまでにいたった思考のプロセスとしては、夫婦問題研究家の筆者が相談を受けた次のようなケースもあります。
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4年半の不倫関係「不倫を続けていた夫のことを、人として信用できなくなったのは事実。でも、別れるより、このまま結婚生活を続けて、自分なりの楽しみを見つけていくほうが幸せだと思い直したんです」そう話す谷口愛さん(45歳・仮名・派遣社員)は8年前、学生時代の恩師の紹介で知り合った1歳年上の夫と結婚。子どもはなく、夫婦と犬とで暮らしています。仲がいいと信じていた夫が、4年半もの間、不倫をしていたことを知ったのはつい最近のことでした。「ある晩、帰宅して顔面蒼白の夫から『会社を辞めることになるかもしれない』と聞かされたんです。やりがいのある仕事を楽しんでいた夫の突然の告白に困惑しつつ理由をたずねると、『ごめん。愛を裏切って悪かった』と不倫をしていたことを打ち明けはじめました」聞けば、愛さんの夫と不倫関係にあった35歳の女性が、その日の昼間に夫の職場まで乗り込んできて修羅場になったのだといいます。「『奥さんと別れるって言ったのは嘘だったの?』などと不倫相手の女性はフロア中に聞こえるような大声で、ひと昔前のドラマに出てきそうなセリフを叫んで夫に詰め寄ったそうなんです。すぐに夫の上司が警備員を呼んでくれて、その現場は収まったものの、上司からは『プライベートなことは聞かないが、仕事の妨げになるような恥ずかしいことは二度とするな。お前には期待していたのに残念だ』とこっぴどく怒られたそうです」Photo by iStock 上司に説教され、しょげかえって帰宅した夫の不倫劇の告白に愛さんは驚きました。「でもまずは夫の不倫をやめさせることが最優先だと思ったので、その場で夫に不倫相手へ電話をさせました。そして電話口で私が代わって、翌日の夜に3人で会う約束を取り付けたんです」不倫相手も交えた話し合いへ向かった愛さん。そこには予想もしていなかった「修羅場」が待ち受けていました…。しかし愛さんのようなケースであっても、「離婚するのが正解」とは一概には言えません。一時の感情に流されるのではなく、「どちらが損か得か」「自分はどうすれば幸せになれるか」をじっくりと考えるべきでしょう。夫婦問題の専門家でもある著者がそう考える根拠、そして愛さん夫妻が選んだ結末については、後編『年上夫に「4年半」も不倫されていた45歳妻が、あえて「離婚しない」を選んだ「衝撃の理由」』で説明します。※登場された方のプライバシーに配慮し、実際の事例を一部変更、再構成しています。
「不倫を続けていた夫のことを、人として信用できなくなったのは事実。でも、別れるより、このまま結婚生活を続けて、自分なりの楽しみを見つけていくほうが幸せだと思い直したんです」
そう話す谷口愛さん(45歳・仮名・派遣社員)は8年前、学生時代の恩師の紹介で知り合った1歳年上の夫と結婚。子どもはなく、夫婦と犬とで暮らしています。
仲がいいと信じていた夫が、4年半もの間、不倫をしていたことを知ったのはつい最近のことでした。
「ある晩、帰宅して顔面蒼白の夫から『会社を辞めることになるかもしれない』と聞かされたんです。やりがいのある仕事を楽しんでいた夫の突然の告白に困惑しつつ理由をたずねると、『ごめん。愛を裏切って悪かった』と不倫をしていたことを打ち明けはじめました」
聞けば、愛さんの夫と不倫関係にあった35歳の女性が、その日の昼間に夫の職場まで乗り込んできて修羅場になったのだといいます。
「『奥さんと別れるって言ったのは嘘だったの?』などと不倫相手の女性はフロア中に聞こえるような大声で、ひと昔前のドラマに出てきそうなセリフを叫んで夫に詰め寄ったそうなんです。
すぐに夫の上司が警備員を呼んでくれて、その現場は収まったものの、上司からは『プライベートなことは聞かないが、仕事の妨げになるような恥ずかしいことは二度とするな。お前には期待していたのに残念だ』とこっぴどく怒られたそうです」
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上司に説教され、しょげかえって帰宅した夫の不倫劇の告白に愛さんは驚きました。「でもまずは夫の不倫をやめさせることが最優先だと思ったので、その場で夫に不倫相手へ電話をさせました。そして電話口で私が代わって、翌日の夜に3人で会う約束を取り付けたんです」不倫相手も交えた話し合いへ向かった愛さん。そこには予想もしていなかった「修羅場」が待ち受けていました…。しかし愛さんのようなケースであっても、「離婚するのが正解」とは一概には言えません。一時の感情に流されるのではなく、「どちらが損か得か」「自分はどうすれば幸せになれるか」をじっくりと考えるべきでしょう。夫婦問題の専門家でもある著者がそう考える根拠、そして愛さん夫妻が選んだ結末については、後編『年上夫に「4年半」も不倫されていた45歳妻が、あえて「離婚しない」を選んだ「衝撃の理由」』で説明します。※登場された方のプライバシーに配慮し、実際の事例を一部変更、再構成しています。
上司に説教され、しょげかえって帰宅した夫の不倫劇の告白に愛さんは驚きました。
「でもまずは夫の不倫をやめさせることが最優先だと思ったので、その場で夫に不倫相手へ電話をさせました。そして電話口で私が代わって、翌日の夜に3人で会う約束を取り付けたんです」
不倫相手も交えた話し合いへ向かった愛さん。そこには予想もしていなかった「修羅場」が待ち受けていました…。しかし愛さんのようなケースであっても、「離婚するのが正解」とは一概には言えません。一時の感情に流されるのではなく、「どちらが損か得か」「自分はどうすれば幸せになれるか」をじっくりと考えるべきでしょう。
夫婦問題の専門家でもある著者がそう考える根拠、そして愛さん夫妻が選んだ結末については、後編『年上夫に「4年半」も不倫されていた45歳妻が、あえて「離婚しない」を選んだ「衝撃の理由」』で説明します。
※登場された方のプライバシーに配慮し、実際の事例を一部変更、再構成しています。