秋田県内でも指折りの観光地・仙北市角館町で近年人気を集める秋田犬が「武家丸(ぶけまる)」。
キリリと端正な表情を見せる8歳のオスで、伝統工芸品を販売する「角館さとくガーデン」の看板犬だ。
秋田犬を実際に目にする機会は意外と少ない、と感じたオーナーの高橋佐知(さおき)社長が「もっと知ってほしい」と2014年夏に飼い始めた。生後1か月の子犬はすくすく成長し、現在の体重は約32キロ。同店スタッフの三浦彩音さん(22)は「サービス精神が旺盛で表情豊か。写真を撮ろうとすると、笑ったような表情を見せたりしますよ」と話す。
SNSで人気に火が付き、「一目会いたい」と九州から訪れた女性もいた。樺(かば)細工などの工芸品が並ぶ店内には武家丸グッズコーナーも誕生し、武家丸そっくりの愛くるしいぬいぐるみやマグカップ、ポストカードなどがずらりと並ぶ。
コロナ禍で観光客が激減し、角館も重苦しい空気に包まれた時期があったが、武家丸が散歩すると、それだけで行き交う人が笑顔で話しかけてきた。三浦さんは「活発な武家丸の姿に、私たちも元気をもらい、街の活力にもつながっていると感じる」と話す。