2023年の箱根駅伝は、3年ぶりに沿道での観戦が解禁され、スタート地点の東京・大手町から大勢の観衆が沿道を埋めた。
主催者は、マスク着用のうえ声出し応援をしないよう呼びかけ、選手らへの拍手だけに済ます人も多かった。しかし、マナーは十分に守られず、沿道からは次々に熱いエールの声が飛んでいた。
選手らの集団が通り過ぎると、沿道からこんな声援が次々に飛ぶ。駅伝で2023年1月2日に往路がスタートすると、ツイッターでは、沿道のこんな応援ぶりを紹介する動画が次々に投稿された。
新型コロナウイルスの感染拡大が続く中で、主催者の関東学生陸上競技連盟は22年11月26日、「沿道での観戦・応援に関するお願い」の文面を公式サイトに載せた。そこでは、「沿道で観戦、応援をする際はマスクを着用し、周囲との距離を確保してください。また、声を出しての応援は控えてください」と呼びかけている。
駅伝を中継した日本テレビも、赤字のテロップで同様の呼びかけを行い、ラジオ日本の中継公式ツイッターも、主催者のお願いを繰り返し投稿した。
こうした要請を知ってか、沿道では、ほとんどの人がマスクを着用し、選手への拍手が応援の中心だった。ところが、ソーシャルディスタンスが守られないぐらい人がギッシリで、大声を上げての声援も多い。選手らがデッドヒートを繰り広げた現場では、大歓声が響くシーンも見られた。マスク未着用の人物が「園子温ブラボー」と書かれたボードを掲げる場面もあった。
コロナ禍で観戦自粛が初めて呼びかけられた21年は、観衆は約18万人と激減した。同様な呼びかけがあった22年は、約60万人と3倍超になり、マナー悪化も指摘された。
スポーツ紙では、今回は、コロナ前並みの100万人超になる見込みも報じられており、沿道の過密化は避けられない状況のようだ。
ツイッター上などでは、「箱根沿道やば 普通に声出して応援してる」「観てる限りソーシャルディスタンスは無視」などと嘆く声も寄せられた。
一方で、サッカーW杯カタール大会で見られたように世界の流れに従うべきだと、声出し解禁も求める声も多い。「自粛を要請することがどれほど意味があるのか」「いつまで『コロナ対策』続けるのでしょうか」といった意見も出ている。
(J-CASTニュース編集部 野口博之)