自由気ままな子どもたちに、いつも親はハラハラドキドキ、時にもやもや。「笑った!困った!」…でもウチの子はどうしてこんなことするんだろう。その行動の裏には、知られざる“子どものココロ”が隠されているはず。お正月をおじいちゃん・おばあちゃんの家で過ごす、小木(こぎ)さん一家のココロちゃんとマナブくんきょうだい。お年玉を貰ってウキウキ気分だけど…「おじいちゃんおばあちんにお年玉を貰った子どもたち、貰った分だけ全部使いたい!とお願いしてきたけど…お金を自由に使わせてもいいのって、幼稚園から?小学校から?」

子どもたちにとって、お正月の楽しみのひとつ「お年玉」。さっそく「アレを買っちゃおうかな」「コレも欲しいな」と夢が膨らむけれど、大きな金額を子どもに持たせるのはちょっと心配…というパパママも多いはず。お年玉を「自由に使っていいよ!」と言っても安心なのは、一体何歳くらいが目安?それによっては、今年も“パパママ銀行”の出番かも…子どもとお年玉の付き合い方について、育児に役立つ“子育て心理学”を発信している公認心理師・佐藤めぐみさんにお話を聞いた。お年玉を預かるときは「目に見える形で」記録して――お年玉を自分で使う・子どもだけでお買い物に行く(お金を使う)のに良い年齢の目安ってある?お年玉を自分で使い始めるのは、小学校に上がったあたりから試してみるといいと思います。まずは使っていい分を持って、パパやママと一緒に買いに行くというのが理想的な形でしょう。なぜ小学生になってからかと言うと、足し算、引き算など数字の概念を学び始めるからです。幼稚園くらいまでは、たとえば10円玉が10枚と100円玉1枚であれば、前者の方が得だというような認識があることが多いです(見た目の量にとらわれやすいためです)。これは認知発達に伴うもので、小学校に入ってだんだんと成熟してきます。学校の勉強は子どもの発達段階に沿う形で組まれているので、足し引きを習うということは、それに見合った発達レベルにいるということ。よって、小学校低学年がお金のやりくりを経験するスタートとしていいタイミングだと思います。ですが、子どもだけでお年玉を使いに行くというのはもう少し後がいいですね。お年玉持参となるとある程度の大金になるでしょうから、近所のコンビニで友だちとお菓子を買うのとは勝手が違います。住んでいる地域にもよりますが、小学校高学年以降が望ましいのではないでしょうか。――「貰ったお年玉を全部使いたい!」こんな風にお願いされたら?お年玉は、子どもにとってふだん見ることのないほどの大金を目にする機会です。それこそ桁が 1つ違うどころではないかもしれません。それもあり「全部使いたい」というのはありそうなお願いですね。「自由に使わせてみるのも勉強になるのでは」という意見もあるかもしれませんが、小さいうちはそこで得る学びよりも、欲しかったものを好きなだけ手に入れるという物欲を満たす方に注がれてしまうように思います。また、額が大きければ学びになるかというとそうでもなく、小さい額であっても学ぶことはできます。たとえば3万円でも3千円でも、その中でやりくりすること自体は同じだからです。ですので「今回使っていい額」を決め、その中でのやりくりを体験させて、 残りは親が管理していくのが望ましいでしょう。――「お年玉はパパママが預かるね!」これって子どもたちの不満のタネにならない?これもある話ですね。小さい子ほど「目に見えること」で確信することが多いので、預かるなんて聞いたら、どこかに消えてしまうと思っても不思議ではありません。子ども名義の通帳を作っている方も多いと思いますが、「目に見える形に残す」という点から見てもいい方法だと思います。もちろん子どもにとっては、小さな通帳に数字が書いてあるだけの「証拠」よりは、お年玉そのものがそのままタンスに入っている方が納得感がありますが、毎年タンス預金というのは物騒ですし、現実的ではありません。通帳の説得力を上げるために、お子さんと一緒のときに、入金済みのページを開いて手書きメモを加えるのもいいアイデアだと思います。「これはおじいちゃんからのお年玉だね」と言いながら、「おじいちゃん」と数字の横に鉛筆でメモ書きしていく形です。いずれにしても、わかりやすい形に残すというのがポイントになると思います。もらうお年玉の金額や、子どもたちが買いたい!と思う物の金額はそれぞれのおうちで違ってくるだろうが、お年玉を自分で使い始めるのにおすすめなのは、一般的に「足し算・引き算」などを勉強しだす小学生ころから。そしていきなりもらったお年玉を全額子どもたちに任せてしまうのではなく、まずは「今回はこれだけ使おうね」と一部を渡してやりくりを学ばせるのが、子どもたちにお金の使い方を学ばせる一歩として良さそうだ。残ったお年玉は、パパママがしっかり管理!とはいっても「きちんと預かっておくね」と言われてもちょっと心配になっちゃうのが子どもたち。通帳のページにお年玉をくれた人の名前を書くなど、目に見える形で記録しておくと安心にもつながり、お年玉をもらった嬉しさそのままに、お金との付き合い方を学んでいけるはずだ。あなたの投稿が漫画になる!エピソード募集中「聞きコミ PRIME online」では皆様からの「育児あるある」エピソード投稿をお待ちしています。「育児あるある」に隠された子どもたちの気持ちを探ってみませんか?・「もういらない」と言ったから代わりに食べたおやつ。「やっぱり食べる!」と言われて大慌て…同じものを用意しても「さっきのがいい!」と泣かれて大苦戦!・無くしたと思っていたスマホを冷蔵庫の中から発見!なんでここに入れちゃうの!?などなど、あなたの投稿が漫画になるかもしれません。(解説:佐藤めぐみ/公認心理師)英・レスター大学大学院修士号取得・オランダ心理学会認定心理士。欧米で学んだ心理学を日本の育児で取り入れやすい形にしたポジ育メソッドを考案。アメブロの「ちょっと子育て心理学」(http://ameblo.jp/la-camomille/)にて発信中。(漫画:さいとうひさし)
自由気ままな子どもたちに、いつも親はハラハラドキドキ、時にもやもや。「笑った!困った!」…でもウチの子はどうしてこんなことするんだろう。その行動の裏には、知られざる“子どものココロ”が隠されているはず。
お正月をおじいちゃん・おばあちゃんの家で過ごす、小木(こぎ)さん一家のココロちゃんとマナブくんきょうだい。お年玉を貰ってウキウキ気分だけど…
「おじいちゃんおばあちんにお年玉を貰った子どもたち、貰った分だけ全部使いたい!とお願いしてきたけど…お金を自由に使わせてもいいのって、幼稚園から?小学校から?」
子どもたちにとって、お正月の楽しみのひとつ「お年玉」。さっそく「アレを買っちゃおうかな」「コレも欲しいな」と夢が膨らむけれど、大きな金額を子どもに持たせるのはちょっと心配…というパパママも多いはず。
お年玉を「自由に使っていいよ!」と言っても安心なのは、一体何歳くらいが目安?それによっては、今年も“パパママ銀行”の出番かも…
子どもとお年玉の付き合い方について、育児に役立つ“子育て心理学”を発信している公認心理師・佐藤めぐみさんにお話を聞いた。
――お年玉を自分で使う・子どもだけでお買い物に行く(お金を使う)のに良い年齢の目安ってある?
お年玉を自分で使い始めるのは、小学校に上がったあたりから試してみるといいと思います。まずは使っていい分を持って、パパやママと一緒に買いに行くというのが理想的な形でしょう。
なぜ小学生になってからかと言うと、足し算、引き算など数字の概念を学び始めるからです。幼稚園くらいまでは、たとえば10円玉が10枚と100円玉1枚であれば、前者の方が得だというような認識があることが多いです(見た目の量にとらわれやすいためです)。
これは認知発達に伴うもので、小学校に入ってだんだんと成熟してきます。学校の勉強は子どもの発達段階に沿う形で組まれているので、足し引きを習うということは、それに見合った発達レベルにいるということ。よって、小学校低学年がお金のやりくりを経験するスタートとしていいタイミングだと思います。
ですが、子どもだけでお年玉を使いに行くというのはもう少し後がいいですね。お年玉持参となるとある程度の大金になるでしょうから、近所のコンビニで友だちとお菓子を買うのとは勝手が違います。住んでいる地域にもよりますが、小学校高学年以降が望ましいのではないでしょうか。
――「貰ったお年玉を全部使いたい!」こんな風にお願いされたら?
お年玉は、子どもにとってふだん見ることのないほどの大金を目にする機会です。それこそ桁が 1つ違うどころではないかもしれません。それもあり「全部使いたい」というのはありそうなお願いですね。
「自由に使わせてみるのも勉強になるのでは」という意見もあるかもしれませんが、小さいうちはそこで得る学びよりも、欲しかったものを好きなだけ手に入れるという物欲を満たす方に注がれてしまうように思います。また、額が大きければ学びになるかというとそうでもなく、小さい額であっても学ぶことはできます。たとえば3万円でも3千円でも、その中でやりくりすること自体は同じだからです。
ですので「今回使っていい額」を決め、その中でのやりくりを体験させて、 残りは親が管理していくのが望ましいでしょう。
――「お年玉はパパママが預かるね!」これって子どもたちの不満のタネにならない?
これもある話ですね。小さい子ほど「目に見えること」で確信することが多いので、預かるなんて聞いたら、どこかに消えてしまうと思っても不思議ではありません。
子ども名義の通帳を作っている方も多いと思いますが、「目に見える形に残す」という点から見てもいい方法だと思います。もちろん子どもにとっては、小さな通帳に数字が書いてあるだけの「証拠」よりは、お年玉そのものがそのままタンスに入っている方が納得感がありますが、毎年タンス預金というのは物騒ですし、現実的ではありません。
通帳の説得力を上げるために、お子さんと一緒のときに、入金済みのページを開いて手書きメモを加えるのもいいアイデアだと思います。「これはおじいちゃんからのお年玉だね」と言いながら、「おじいちゃん」と数字の横に鉛筆でメモ書きしていく形です。いずれにしても、わかりやすい形に残すというのがポイントになると思います。
もらうお年玉の金額や、子どもたちが買いたい!と思う物の金額はそれぞれのおうちで違ってくるだろうが、お年玉を自分で使い始めるのにおすすめなのは、一般的に「足し算・引き算」などを勉強しだす小学生ころから。そしていきなりもらったお年玉を全額子どもたちに任せてしまうのではなく、まずは「今回はこれだけ使おうね」と一部を渡してやりくりを学ばせるのが、子どもたちにお金の使い方を学ばせる一歩として良さそうだ。
残ったお年玉は、パパママがしっかり管理!とはいっても「きちんと預かっておくね」と言われてもちょっと心配になっちゃうのが子どもたち。通帳のページにお年玉をくれた人の名前を書くなど、目に見える形で記録しておくと安心にもつながり、お年玉をもらった嬉しさそのままに、お金との付き合い方を学んでいけるはずだ。
「聞きコミ PRIME online」では皆様からの「育児あるある」エピソード投稿をお待ちしています。「育児あるある」に隠された子どもたちの気持ちを探ってみませんか?
・「もういらない」と言ったから代わりに食べたおやつ。「やっぱり食べる!」と言われて大慌て…同じものを用意しても「さっきのがいい!」と泣かれて大苦戦!・無くしたと思っていたスマホを冷蔵庫の中から発見!なんでここに入れちゃうの!?
などなど、あなたの投稿が漫画になるかもしれません。
(解説:佐藤めぐみ/公認心理師)英・レスター大学大学院修士号取得・オランダ心理学会認定心理士。欧米で学んだ心理学を日本の育児で取り入れやすい形にしたポジ育メソッドを考案。アメブロの「ちょっと子育て心理学」(http://ameblo.jp/la-camomille/)にて発信中。