4日に公開された参院議員の資産等報告書では、2022年7月に当選した125人の7割弱に当たる82人が、預貯金を「ゼロ」と届け出た。
このうち、有価証券を含む金融資産や不動産もゼロとしたのは19人。ただ、普通預金などは報告対象外で、透明性が不十分との指摘も多い。
預貯金ゼロを政党別で見ると、自民党が最多の39人。公明党13人、立憲民主党10人と続いた。自民党の関口昌一参院議員会長や立民の蓮舫元代表代行もゼロだった。
82人中31人が借入金を記載。自宅の住宅ローンなどを抱える議員も多い。初当選した立民の村田享子氏は奨学金として250万円を申告した。自民党新人は「選挙に金がかかり、生活に余裕がない」と苦しい懐事情を訴えた。
金融資産や不動産に加え、自動車や株式など全項目でゼロと答えたのは8人。ただ、現行法は普通預金や家族名義の資産に報告義務がなく、資産の実態を十分に把握できるとは言い難い。
岸田政権では「政治とカネ」の問題が相次ぎ、政治への信頼は揺らいでいる。政治資金に詳しい神戸学院大の上脇博之教授は「現行法は穴だらけ。正しくチェックできる改正をしなければ、国民の信頼は落ちるばかりだ」と強調した。