菅前首相が「歴代首相の多くが派閥から出て務めていた」などと述べたことについて、米・ワシントンを訪問中の河野太郎デジタル相は11日、記者団の取材に対し、菅氏の発言を「わからなくもない」と理解を示す一方、自身が首相に上り詰めた際の派閥離脱については「そのときにしっかり考えていきたい」と述べるにとどめた。
菅氏は10日、訪問先のベトナムで「首相は国民全体の先頭に立って汗を流す立場にある。歴代首相の多くも、派閥から出て首相を務めていたのではないか」などと述べ、就任後も派閥の会長を続けている岸田首相に疑問を示している。
岸田内閣でデジタル相を務める河野氏は、ワシントンでの講演後に記者団から菅氏の発言について問われ、「菅さんの言うこともわからないではない」と理解を示した。
その上で、「自民党の中としては、いろいろなものが派閥で動いているということもあるが、国民と向き合うときには、自民党としてしっかり向き合っていくのが大事」と述べた。
ただ、派閥から離脱するかどうかは「それぞれの政治家の考えがあると思う。それぞれのポジションの方が、自分で決めていくものだ」とした。
また、河野氏自身が首相に上り詰めた際に派閥を出るかを問われたが、「そのときにしっかり考えていきたい」と述べるにとどめた。
河野氏は、麻生派に所属していて、前回の自民党総裁選で岸田首相と争ったが、その際には、菅氏が支持を表明していた。