ピラミッドと聞けば、多くの読者はエジプトの砂漠にそびえる大きな四角錐を思い浮かべるだろう。あるいは、中南米のものを思い出した人もいるかもしれない。
では、日本に存在しているピラミッドのことを、皆さんはご存じだろうか?
――そんなつぶやきと共にこちらの写真を紹介したのは、ツイッターユーザーのあーる(@NakedR50m)さん。
2022年10月24日に投稿されたその一枚に映っているのは、暗くどんよりとした曇り空の下に立つ、7層の段や四角い穴が特徴的なピラミッド。とても日本で見られるとは思えない光景にツイッター上ではこんな声が寄せられている。
一体、これは何なのだろう? Jタウンネット記者は25日、投稿者のあーるさんに話を聞いた。
あーるさんは、あまり知られてない場所の魅力を伝えたいという思いから、マイナーなスポットを撮影することが多いという。話題の写真は2020年10月10日、岐阜県高山市にある県登録博物館「光ミュージアム」を訪れた際に撮影したもの。飛騨高山観光公式サイトによると、マヤ・インカ文明をはじめ様々な地域・時代をテーマに展示を行う同館は、建物もマヤ文明をモチーフにした作りになっている。
この場所を訪れたあーるさんは、ミュージアムの入口を進んだ先で予想外の光景を目の当たりにした。
あーるさんが目撃したのは光ミュージアムの「中庭ピラミッド」。
文字通り館の中庭にある構造物で、同館公式サイトによると、世界遺産に登録されているエル・タヒン遺跡(メキシコ)の「壁龕(へきがん)のピラミッド」をモチーフにしている。
同館の学芸員を取材したところ、サイズ感もほぼ原寸大。ピラミッドの中は地下2階の多目的ホール(ピラミッドホール)の吹き抜け部分となっているという。
さて、本題である。なぜ岐阜にマヤ文明のピラミッドを再現したのか。同館の学芸員はこう語った。
なお、コンセプトとされているのは、高山市に本部を置く宗教団体「崇教眞光」の基本理念であり、ミュージアムは同団体の聖地のひとつとして公式ウェブサイト上で紹介されている。