遺体の検視で訪れた家屋に後日侵入し、現金などを持ち去ったとして、栃木県警は2日、那須塩原署刑事1課の巡査長の男(29)を懲戒免職とした。
県警は同日、巡査長を占有離脱物横領などの容疑で宇都宮地検に書類送検した。
発表によると、巡査長は昨年8月、那須町の一人暮らしの男性が死亡した家屋に検視で訪れた際、耐火金庫に現金100万円が保管されていることを知った。同年11月7日、署のパソコンで検視業務のデータを閲覧して間取りなどを確認。同8日夕、家屋の窓を割って侵入し、現金8000円と腕時計3個を持ち去った疑い。近隣住民の通報で発覚し、巡査長は「生活費にしようと思った」などと話しているという。
また、宇都宮中央署に勤務していた2019年7月には、担当した傷害事件の関係書類を検察に送付し忘れたため、発覚を逃れようと書類をシュレッダーで廃棄。20年3月には、事件に関係する防犯カメラ映像などの入ったUSBメモリーを署内から持ち出し、自宅に隠匿した疑い。
県警の本沢成忠・首席監察官は「警察官がこのような事案を起こし誠に遺憾。再発防止と県民の信頼回復に努める」とした。