ある小学生が宿題で書いた作文が「面白い」「才能が詰まってる素晴らしい文章」などと、ツイッターで話題になっている。短編小説「ショートショート」を作るという宿題で書かれた、消しゴムを題材にした物語だ。感動した父親がツイッターで紹介し、大きな注目を集めた。
J-CASTニュースは2022年11月29日、作文を紹介した父親のnakashin(@Fill_no_bass)さんに執筆背景を取材した。
nakashinさんは、ネットメディア「ダ・ヴィンチWeb」で育児漫画「わが家は小さめの生き物に侵略されています」を連載している。小学4年生の娘と2歳の息子を持ち、娘が2歳のころから日記を兼ねて子供たちの漫画を描いている。本業はデザインに携わる会社員で、副業で漫画を描いている。
今回話題になったのは娘の作文だ。取材に対しnakashinさんは、娘の「趣味は絵を描くことで、時間さえあればゲームのキャラクターの絵などを描いています」と紹介する。
11月26日、娘の書いた作文をツイッターで紹介した。題材は「言葉をおぼえるけしゴム」。冒頭から誤字まみれの文章が続く。主役で語り手は「言葉を覚える消しゴム」。欄外には訂正がつづられる。これがその全文だ。
誤字を直すと以下の文章になる。
言葉を覚える消しゴムは、人々が間違えた言葉を消すときに活躍してきた。それゆえ「まちがえた言葉しかおぼえられない」のだという。
この作文にツイッターでは「誤字すらも話の設定になってるところも完成度が高すぎて凄い」「伏線回収がきれいすぎる」などと驚く声が寄せられた。
取材に対しnakashinさんは、娘から宿題について相談を受けていたと明かす。娘はあらかじめ「言葉を覚える消しゴム」を題材にしたいと考えていたそうで、どんな話を描いたらよいか悩んでいたという。nakashinさんは、娘に1つだけアドバイスを送った。
すると娘は、消しゴムの目線で「どうやって言葉を覚えるのか、普段どんなことをして、何を考えているのか」考え始めたという。やがて「消しゴムは間違えた言葉を覚えちゃう」、そのために「使う言葉も間違えた言葉になっちゃう」という設定ができあがった。
nakashinさんは娘の作文を次のように評する。
しかし今回の宿題は、クラスのみんなの前で音読するものだった。音読では魅力が伝わりづらい話だったため、娘は別の作文を提出したという。nakashinさんは「あまりにもったい無いので、せめての気持ちでSNSで公開をしました」と振り返った。
娘の作文を紹介するnakashinさんのツイートは30日19時現在までに、6万5000件超のリツイート、28万9000件超の「いいね」があった。こうした反響についてnakashinさんは次のように受け止める。
(J-CASTニュース編集部 瀧川響子)