ロイヤルホールディングス(HD、福岡市)が展開するファミリーレストラン「ロイヤルホスト」の定番メニューのパンケーキが、フランス料理の有名シェフが料理を評価するバラエティー番組で酷評を受けたことに、ツイッターなどでファンが反論。店舗での注文が増え一部店舗で品薄になったり、出演したシェフが釈明のコメントを発表したりする騒ぎになっている。
番組は11月26日に放送された「ジョブチューン」(TBS系)。ロイヤルのメニュー10品の合格、不合格をジャッジする内容で、パンケーキはシェフ7人のうち6人が「不合格」と判定。「家でも焼ける」「古い形にこだわりすぎている」と辛口の意見が相次いだ。
パンケーキは、ロイヤル創業者の故江頭匡一氏が、米国のコーヒーショップで提供していた一品を参考に、創業期の1978年から変わらないスタイルで提供するこだわりの一品。税抜き450円(一部店舗は同500円)で販売する。
放送後、ツイッターなどでは「シンプルな味でこだわって焼いて、あの価格を守っているのは素晴らしい」「これからも味や形を変えないで」など、ファンから商品を擁護する投稿が相次ぎ、翌日以降、一部の店舗では品切れになった。
一方、出演したシェフらにもネットで批判の矛先が向いた。あるシェフは交流サイトで合否判断の考え方などを説明。「忌憚(きたん)ない意見を言い合うことで商品開発の大変さや苦労する部分を見ていただけるんじゃないか」と出演した理由を明かし、「批判を誇張する演出は残念だった」とつづった。
ロイヤルHDは一連の経緯に「ロイヤルホストの伝統や味に対し、思いのようなものを持っていただいていることを改めて認識した」とコメント。パンケーキについては「守るべき伝統は守り、改良すべきところは改めるという考え方で今後も開発に取り組む」としている。
(岡部由佳里)