11月30日に57歳のお誕生日を迎えられた秋篠宮さまは、これに先立ち恒例の会見を開かれた。次女・佳子さまのご公務や長男・悠仁さまのご成長など、ご家族の様子にも言及なさった一方、ニューヨークで暮らす眞子さんについてはひたすら“沈黙”を貫き通されたのだった。
***
【写真】吉報が届いた「眞子さん」が見せた、自由の国・アメリカでのリラックスした様子 ピンクの“チラ見せ”でラフな着こなし ここ数年、秋篠宮さまのお誕生日会見においては、およそ皇室にふさわしからぬ“スキャンダル”が質疑の大きなウエートを占めてきた。

眞子さんと小室圭さんの婚約内定会見が行われたのは2017年9月。2カ月余り後に行われた会見で秋篠宮さまは、小室さんを「非常に真面目な人だというのが第一印象」とたたえておられたものの、同年12月に小室さんの母親の金銭トラブルが報じられて以降、その評価は一変した。小室眞子さん 現に18年の会見では、〈二人が結婚したいという気持ちがあるのであれば、やはりそれ相応の対応をするべきだと思います〉 と、冷徹に突き放していらっしゃったのである。毎年の苦痛 宮内庁担当記者が言う。「その後、19年には『小室家とは連絡は私は取っておりません』と明かされ、翌年は『(対応が)見える形になるというのは必要なことではないか』と強調されました。さらに昨年は、小室さんを『夫の方(ほう)』『娘の夫』などとよそよそしくお呼びになった上で、『(小室さんとの面会で)印象に残ることというのは特に私にはありません』『(入籍会見では)自分の口から話をして質問に答える機会があった方がよかった』等々、ネガティブなご回答に終始されたのでした」 そもそも、秋篠宮さまにとっては、「この問題を質問され、それに何らかのお答えをなさらねばならないことは、毎年の苦痛そのものでした。とりわけ昨年は、皇室の儀式を経ない前代未聞の結婚が行われた直後で、また小室さんの試験不合格という予期せぬ出来事も起きたため、会見の内容は大々的に報じられることとなりました。宮内庁も不穏なムードが長引くことを想定し、本来であれば事前収録されて20歳のお誕生日の12月1日に発表されるはずだった愛子さまの成年会見も、先延ばしにせざるを得なかったのです」(同)「自分のことについては話すのを控えてほしい」 こうした経緯もあって今年の会見は、御代替わりをはさんで長らく皇室を苛(さいな)んできた難題の“総決算”と言っても過言ではなかったのだが、あらためてそのやり取りをつぶさに振り返ってみると、「事前に記者会からお渡ししていた5問のうち、お子様方のご様子については3問目に盛り込みました。3度目の挑戦で合格した小室さんについて伺いたいところですが、彼はあくまで一般人。そのため質問はシンプルに『結婚から1年が経過した小室眞子さんの近況についてご紹介ください』としたのです。ところが秋篠宮さまは『本人(眞子さん)が近況など、自分のことについては話すのを控えてほしいと申しているようなので、私の方では控えることとします』とだけ仰り、ご回答を終えられてしまいました」(同) 紀子妃もまた、9月のお誕生日には、〈(眞子さんの)近況や生活については、本人の希望もあり、お答えは控えます〉 と文書で回答されていた。まさしくご夫婦で歩調を合わされた格好となったのだ。凝り固まった眞子さん その会見で、ご一家の深刻な亀裂がいっそう浮き彫りになったと指摘するのは、秋篠宮家の事情を知る関係者である。「それは殿下のご回答にあった“控えてほしいと申しているようなので”という言い回しに端的に表れています。つまりは殿下が直接、眞子さんからご希望をお聞きになってはいないという意味なのですが、実際に現在、紀子妃殿下ともども、眞子さんとは直接にお話しできない状態にあります」 とはいえ、「いまの宮邸には、その間に分け入って双方とやり取りできるほど信頼を得ている職員は皆無。眞子さんの近況や要望は、もっぱら妹の佳子さまを通じてのみ両殿下に伝えられているのが現状なのです」 紀子妃の文書回答と同じく今回も、「事前に佳子さまを通じて『(眞子さんは)自分の生活については絶対に触れてほしくないと言っている』と、きわめて強い要望がもたらされ、秋篠宮殿下もこれに同意せざるを得ませんでした。一連の騒動の中で眞子さんは、殿下とメディアが結託して自分の結婚を止めようとしているという考えに凝り固まってしまったのです」(同)続くぎくしゃくした関係 結果、メディアを嫌悪するに至ったというのだが、「そのメディアの背後には国民がいるという事実を、最後まで理解できませんでした。今回の会見に際しては、自身の生活などを公にされるのはもちろん、結婚から1年が過ぎたことに対する殿下のご感想さえも“やめてほしい”と主張したと聞きました」(同) 長女から拒まれた秋篠宮さまはまた、残された佳子さまとのご関係も決して良好ではないといい、「会見では、現在多くのご公務に臨まれている佳子さまとのやり取りにも言及なさっていましたが、殿下ご自身が行事で披露された手話については『妻にはアドバイスをもらったが、娘からは特になかった』と仰っていた。またご家庭内では、佳子さまのご公務の原稿について助言なさることがあるとも述べておられましたが、あくまでお仕事の範囲内。お互いが心を開いてお話をなさるには程遠く、ぎくしゃくしたご関係が続いています」(同)国民から見える存在でなければ そうした父宮のご心中について、象徴天皇制に詳しい名古屋大学大学院の河西秀哉准教授は、「秋篠宮さまは今回、ご家族に関しては多くをお話しにならなかった印象です。10月に小室さんが試験に合格した後も、現地ではテレビなどの取材が断続的に続いています。そうした騒動が、ご自身の発言によって炎上しないよう、意図的に言及を控えられたのでしょう」 としながらも、「ただ、今後は世界の王室のみならず皇室もまた、神秘性や伝統性だけに立脚していては立ち行かなくなります。亡くなったエリザベス女王がかつて『信じてもらうためには、見てもらわないと』と言ったように、国民から見える存在でなければなりません。メディアと皇室の関係性は、そのバランスがとても難しいと思います」「おそらく私はやらない」 会見では、皇室の情報発信にも言及。秋篠宮さまは昨年、“バッシングとも取れる報道に反論するには一定の基準を設けることも必要”と述べられていたのだが、「今年あらためて伺ったところ、実際にご自身で、ある記事を対象にどれだけ事実と異なることが書かれているかを確かめようとなさったというのです。ただし、記事を解きほぐして正誤を腑分けなさるには相当な労力を費やさなければならず、“基準を作って意見を発信することは難しい。引き続き検討が必要”とのお考えを示されました」(前出記者) 自ら「ファクトチェック」を試みられたとは驚くほかない。さらには目下、宮内庁が検討しているSNS活用についても、「“間接的でない方がストレートに伝わると思います”と、皇族方が個人のアカウントを持って発信なさっていく可能性はあり得るとされながらも、ご自身については一転、“おそらく私はやらないと思います”と仰ったのです」(同)「毅然と発信なさるべき」 発信については依然、試行錯誤が続いているものの、皇室制度に詳しい小田部雄次・静岡福祉大学名誉教授は、「眞子さんから“控えてほしい”とクギを刺されたからといってその通りになさるのは、将来の天皇家として、また内親王の父親としてもいささか無責任なのではないかと感じます」 そう疑問を呈するのだ。「眞子さんの結婚の儀式を執り行わない理由として、秋篠宮さまは『現時点で多くの人が喜んでいない』などと説明なさっていましたが、一方で今回の会見では、国民が知りたがっている小室夫妻の生活については言及されなかった。真に“国民のため”を思われるのであれば、夫婦の現状について毅然と発信なさるべきだと思います。さもなければ今後、国民の敬愛や信頼を得ることは難しくなるのではないでしょうか」 皇室を震撼させた未曾有のトラブルは、実に後味の悪い幕切れを迎えつつある。「週刊新潮」2022年12月8日号 掲載
ここ数年、秋篠宮さまのお誕生日会見においては、およそ皇室にふさわしからぬ“スキャンダル”が質疑の大きなウエートを占めてきた。
眞子さんと小室圭さんの婚約内定会見が行われたのは2017年9月。2カ月余り後に行われた会見で秋篠宮さまは、小室さんを「非常に真面目な人だというのが第一印象」とたたえておられたものの、同年12月に小室さんの母親の金銭トラブルが報じられて以降、その評価は一変した。
現に18年の会見では、
〈二人が結婚したいという気持ちがあるのであれば、やはりそれ相応の対応をするべきだと思います〉
と、冷徹に突き放していらっしゃったのである。
宮内庁担当記者が言う。
「その後、19年には『小室家とは連絡は私は取っておりません』と明かされ、翌年は『(対応が)見える形になるというのは必要なことではないか』と強調されました。さらに昨年は、小室さんを『夫の方(ほう)』『娘の夫』などとよそよそしくお呼びになった上で、『(小室さんとの面会で)印象に残ることというのは特に私にはありません』『(入籍会見では)自分の口から話をして質問に答える機会があった方がよかった』等々、ネガティブなご回答に終始されたのでした」
そもそも、秋篠宮さまにとっては、
「この問題を質問され、それに何らかのお答えをなさらねばならないことは、毎年の苦痛そのものでした。とりわけ昨年は、皇室の儀式を経ない前代未聞の結婚が行われた直後で、また小室さんの試験不合格という予期せぬ出来事も起きたため、会見の内容は大々的に報じられることとなりました。宮内庁も不穏なムードが長引くことを想定し、本来であれば事前収録されて20歳のお誕生日の12月1日に発表されるはずだった愛子さまの成年会見も、先延ばしにせざるを得なかったのです」(同)
こうした経緯もあって今年の会見は、御代替わりをはさんで長らく皇室を苛(さいな)んできた難題の“総決算”と言っても過言ではなかったのだが、あらためてそのやり取りをつぶさに振り返ってみると、
「事前に記者会からお渡ししていた5問のうち、お子様方のご様子については3問目に盛り込みました。3度目の挑戦で合格した小室さんについて伺いたいところですが、彼はあくまで一般人。そのため質問はシンプルに『結婚から1年が経過した小室眞子さんの近況についてご紹介ください』としたのです。ところが秋篠宮さまは『本人(眞子さん)が近況など、自分のことについては話すのを控えてほしいと申しているようなので、私の方では控えることとします』とだけ仰り、ご回答を終えられてしまいました」(同)
紀子妃もまた、9月のお誕生日には、
〈(眞子さんの)近況や生活については、本人の希望もあり、お答えは控えます〉
と文書で回答されていた。まさしくご夫婦で歩調を合わされた格好となったのだ。
その会見で、ご一家の深刻な亀裂がいっそう浮き彫りになったと指摘するのは、秋篠宮家の事情を知る関係者である。
「それは殿下のご回答にあった“控えてほしいと申しているようなので”という言い回しに端的に表れています。つまりは殿下が直接、眞子さんからご希望をお聞きになってはいないという意味なのですが、実際に現在、紀子妃殿下ともども、眞子さんとは直接にお話しできない状態にあります」
とはいえ、
「いまの宮邸には、その間に分け入って双方とやり取りできるほど信頼を得ている職員は皆無。眞子さんの近況や要望は、もっぱら妹の佳子さまを通じてのみ両殿下に伝えられているのが現状なのです」
紀子妃の文書回答と同じく今回も、
「事前に佳子さまを通じて『(眞子さんは)自分の生活については絶対に触れてほしくないと言っている』と、きわめて強い要望がもたらされ、秋篠宮殿下もこれに同意せざるを得ませんでした。一連の騒動の中で眞子さんは、殿下とメディアが結託して自分の結婚を止めようとしているという考えに凝り固まってしまったのです」(同)
結果、メディアを嫌悪するに至ったというのだが、
「そのメディアの背後には国民がいるという事実を、最後まで理解できませんでした。今回の会見に際しては、自身の生活などを公にされるのはもちろん、結婚から1年が過ぎたことに対する殿下のご感想さえも“やめてほしい”と主張したと聞きました」(同)
長女から拒まれた秋篠宮さまはまた、残された佳子さまとのご関係も決して良好ではないといい、
「会見では、現在多くのご公務に臨まれている佳子さまとのやり取りにも言及なさっていましたが、殿下ご自身が行事で披露された手話については『妻にはアドバイスをもらったが、娘からは特になかった』と仰っていた。またご家庭内では、佳子さまのご公務の原稿について助言なさることがあるとも述べておられましたが、あくまでお仕事の範囲内。お互いが心を開いてお話をなさるには程遠く、ぎくしゃくしたご関係が続いています」(同)
そうした父宮のご心中について、象徴天皇制に詳しい名古屋大学大学院の河西秀哉准教授は、
「秋篠宮さまは今回、ご家族に関しては多くをお話しにならなかった印象です。10月に小室さんが試験に合格した後も、現地ではテレビなどの取材が断続的に続いています。そうした騒動が、ご自身の発言によって炎上しないよう、意図的に言及を控えられたのでしょう」
としながらも、
「ただ、今後は世界の王室のみならず皇室もまた、神秘性や伝統性だけに立脚していては立ち行かなくなります。亡くなったエリザベス女王がかつて『信じてもらうためには、見てもらわないと』と言ったように、国民から見える存在でなければなりません。メディアと皇室の関係性は、そのバランスがとても難しいと思います」
会見では、皇室の情報発信にも言及。秋篠宮さまは昨年、“バッシングとも取れる報道に反論するには一定の基準を設けることも必要”と述べられていたのだが、
「今年あらためて伺ったところ、実際にご自身で、ある記事を対象にどれだけ事実と異なることが書かれているかを確かめようとなさったというのです。ただし、記事を解きほぐして正誤を腑分けなさるには相当な労力を費やさなければならず、“基準を作って意見を発信することは難しい。引き続き検討が必要”とのお考えを示されました」(前出記者)
自ら「ファクトチェック」を試みられたとは驚くほかない。さらには目下、宮内庁が検討しているSNS活用についても、
「“間接的でない方がストレートに伝わると思います”と、皇族方が個人のアカウントを持って発信なさっていく可能性はあり得るとされながらも、ご自身については一転、“おそらく私はやらないと思います”と仰ったのです」(同)
発信については依然、試行錯誤が続いているものの、皇室制度に詳しい小田部雄次・静岡福祉大学名誉教授は、
「眞子さんから“控えてほしい”とクギを刺されたからといってその通りになさるのは、将来の天皇家として、また内親王の父親としてもいささか無責任なのではないかと感じます」
そう疑問を呈するのだ。
「眞子さんの結婚の儀式を執り行わない理由として、秋篠宮さまは『現時点で多くの人が喜んでいない』などと説明なさっていましたが、一方で今回の会見では、国民が知りたがっている小室夫妻の生活については言及されなかった。真に“国民のため”を思われるのであれば、夫婦の現状について毅然と発信なさるべきだと思います。さもなければ今後、国民の敬愛や信頼を得ることは難しくなるのではないでしょうか」
皇室を震撼させた未曾有のトラブルは、実に後味の悪い幕切れを迎えつつある。
「週刊新潮」2022年12月8日号 掲載