車で外出して飲酒した後、自分の代わりに運転し家まで送ってくれる運転代行業者の車。
ドアには「ピンチランナー」というロゴが大きく書かれている。
「ピンチランナー」は、東京・足立区に拠点を置く運転代行サービス会社だ。その代表の男が無免許で車を運転し、ひき逃げを起こして逮捕され、まさに自身が“ピンチ”に陥る事態となった。
無免許過失運転致傷とひき逃げの疑いで逮捕、送検されたのは「運転代行ピンチランナー」代表・藤井祥次郎(ふじい・しょうじろう)容疑者(46)。
事故は、2022年7月16日朝、足立区東綾瀬3丁目にある交差点で起きた。これまでの調べで事故の詳しい状況が明らかになった。
藤井容疑者が運転する車は、交差点で信号待ちをしていた軽自動車に追突した。
追突された軽自動車は、さらに前に止まっていた乗用車に追突。合わせて3台が絡む玉突き事故となった。
事故後、藤井容疑者は車から降りて軽自動車の運転手に対し、窓越しに声をかけたという。
しかし、警察官が到着する前に現場から逃走。この事故で、乗用車と軽自動車に乗っていた男女3人が、頸椎捻挫など全治3週間のケガをした。
この事故を起こした際、藤井容疑者は無免許状態だった。今回の事故の8日前に4年間の免許取り消し処分を受けていたのだ。さらに藤井容疑者は事故車両を逃走後に処分し、証拠隠滅を図った可能性があるとみられている。
調べに対し、藤井容疑者は「事故については話したくありません」と容疑について黙秘。また、「車の処分についても話したくない」として、供述を拒んでいる。
警視庁は運転代行の仕事も無免許で行っていたとみて、藤井容疑者を追及している。
(「イット!」 12月13日放送)