10月30日深夜、ハロウィンの騒ぎがピークに達した渋谷「ハンズ(旧東急ハンズ)」近くの井の頭通り。仮装姿の人々でごった返す「バスケットボールストリート(センター街)」の先にも、若者がたむろしていた。
そんな中、人混みを掻き分けるように白いミニバンが井の頭通りを進んでいく。クルマのテールゲートが開いており、中には巨大なスピーカーが満載され、会話が通じなくなるくらいの爆音でクラブミュージックを流していた。
祭りの神輿のごとく、そのミニバンを先導するように煽る若者たちと、その様子を歩道から撮影する人たち。クルマがハンズ近くのコンビニの前に路駐すると、人だかりは一層大きくなり、さながら屋外フェス会場のように踊る若者たちが集まった。
すると、騒音と人だかりを看過できなくなったのか、一台のパトカーが後ろからやってきた。
「ミニバンと練り歩いていた若者の何人かが、そのパトカーの進路を塞ぐようにして取り囲み、踊り始めたんです。警官は、車内から拡声器で騒ぎを鎮めるよう訴えますが効果ナシ。中にはパトカーのボンネットに手をついて『轢くんだったら轢いてみろよ』と言わんばかりに、運転席の警官にガンをつけるような仕草を取る人もいました。
パトカーを取り囲んでいた人たちの一部は、お揃いのロゴが入ったパーカーやダウンジャケットを着ていました。おそらく同じグループだったのだと思います」(居合わせた人)
渋谷のハロウィンといえば、’18年に暴徒化した若者らが軽トラックを横倒しにし、結果的に逮捕者4名を出した騒動が思い出される。おそらく、乗車していた警察官も「同じ目に遭うのではないか」と戦慄したことだろう。
そして何よりも、前日夜には韓国の梨泰院で犒化粟稱瓩発生し、150人以上の犠牲者が出るという痛ましい事故があった。一時のテンションに任せた行動が、自分や誰かの命を脅かすことになるかもしれないとは考えなかったのだろうか。