高齢女性を特殊詐欺の被害から守ったとして、兵庫県警三田署はコンビニエンスストア「ローソン」(兵庫県三田市)に感謝状を贈った。
店では以前も詐欺を撃退しており、今回も敏感に異変を察知した。
発表では、女性(85)が来店したのは8月6日の夕方。メモを手に1万円分の電子マネーカードを買おうとするのを、隣のレジにいた店長(29)が不審に思い、購入の目的を尋ねた。
「映画を見るため」という女性の説明は徐々に変わり、最終的には「パソコンに故障の警告画面が出た」と打ち明けた。表示された電話番号にかけると、「電子マネーカードで修理代を支払うよう指示された」とも説明した。
店長は特殊詐欺と直感。購入を思いとどまらせ、女性に三田署の連絡先を教えて通報させたため、被害は免れた。数日後、女性は息子に付き添われて店へお礼に訪れたという。
オーナー(36)とともに、北尾祐一署長から感謝状を受け取った店長は「女性は焦っており、メモを持っているのも変だと感じた」と被害の阻止を喜んだ。「映画を見るため」という当初の説明は、電話相手の指示によるものだったという。
店では以前も、ATM(現金自動預け払い機)による振り込みも含めて何度も被害を防いでおり、オーナーは「詐欺の多さを実感する。地域住民への心配りを続けたい」と誓っていた。