和歌山県白浜町のホテルで、布にくるまれた赤ちゃんの遺体がごみ箱に遺棄された事件で、赤ちゃんの母親とみられる女が逮捕された。
死体遺棄の疑いで9月14日に逮捕されたのは、京都市南区に住む事務員の山田桃子容疑者(31)。9月10日、白浜町のホテルで、生後間もない男の赤ちゃんの遺体を、ホテル内にあるごみ箱に遺棄した疑いが持たれている。
赤ちゃんが遺棄される事件は、2022年に入って相次いでいる。
5月には堺市のホテルのトイレの便器から、生きている赤ちゃんが見つかった。へその緒がついたままで低体温症の症状があったものの、幸い命に別条はなかったという。
6月には大阪市のコインパーキングで、紙袋に入れられた赤ちゃんの遺体が見つかった。死体遺棄の罪で起訴された吉田絵里佳被告(28)は、売春などで生活費を稼いでいたが、金銭的に厳しかったことや売春の後ろめたさから、病院を受診しなかったと犯行の経緯について話している。
9月には、名古屋市内のビジネスホテルの配管室に、女の赤ちゃんの遺体を布などに包んで遺棄した疑いで、住所不定・無職の石橋結斗容疑者(21)と飯田果名美容疑者(20)が逮捕された。逮捕後の調べに対し、「子どもが生まれた時にお金がなく、どうしたらいいかわからなかった」と容疑を認めている。
また名古屋では9月14日にも、「自宅内を整理していたら遺体を発見した」と警察に通報があり、ミイラ化した赤ちゃんの遺体が見つかっている。
相次ぐ赤ちゃんの遺棄事件。兵庫県神戸市の「小さないのちのドア」は、望まない妊娠などで誰にも言えず孤立した女性の相談を、24時間体制で受け付けている。
「小さないのちのドア」永原郁子 代表:バレてしまうんだったら、みたいな感じなのかな…
なくならない赤ちゃんの遺棄事件。代表の永原さんは、やりきれない思いを口にする。
「小さないのちのドア」永原郁子 代表:本当に1日でも2日でも前に連絡くだされば、私たちが精一杯支えることができたのにと。防げる事件だなと、防げる、守ることができる命だなって思うんですよね
「小さないのちのドア」は、思いがけない妊娠で頼る人いなかったり、住むところがなかったりする女性が、安心して出産し、産後までさまざまなサポートを受けられるマタニティホームを運営している。
「小さないのちのドア」永原郁子 代表:そういう事件が起こると、「我が子を産んだお母さんが殺すなんて」と社会の非難がきますけど、決してその女性は特別な方ではないと私は想像しています。安易なセックス、そして言えなかった・言えなかった…それが続いた結果で。妊娠して困ったなということがあれば、必ず専門家が地域とか、また保健所、行政にいますので。「助けて」って言ってもらったら必ず助けがきます。ですので「助けて」の声を必ず出してください
一つ一つの遺棄事件から、私たちは今後、赤ちゃんを救う手立てを見出していかなければならない。
電話:078-743-2403(24時間)LINE ID:@inochinodoorEmail:[email protected]
(関西テレビ「報道ランナー」2022年9月15日放送)