小学校で当たり前のように行われている「背の順」による整列。それに異議を唱える声が上がり、波紋を広げています。
公立小学校教員・松尾英明氏:「背の低い順に並ばせるのは差別である」
自らの著書で、こう訴えるのは、現役の公立小学校教員・松尾さんです。
松尾氏:「子どもたち同士の中でも、“背の高い、低い”というのは気にするようになる。コンプレックスを抱くということがありますので、傷付く人がいるということを考えると、これは、いじめの一つと考えてもいいんじゃないかと思っています」
“背の順”について、街の親子に聞きました。
小学生の男の子:「(Q.『背の順』で並ぶのが嫌と思ったことある?)あまりない」
小学2年生の女の子:「ない」
母親(40代):「考えたこともなかったです。すごく、現代ならではだなと思いました」
一方で、反対の声も聞かれました。
小学4年生の女の子:「『背の順』は嫌です。前の方も嫌です。目立ったりするし、(後ろでも)横から見ればいけるし。バラバラでもいいと思う」
松尾さんは、「背の順」ではなく「名簿順」を勧めています。
名簿順であれば、序列意識がなくなり、成長によって起きる“順序の変動”といった混乱も避けることができると指摘します。
今回、声を上げた理由について、松尾さんは、次のように話します。
松尾氏:「全体の数%の子たちが、すごく嫌な思いをしている。その声が全体の中の少数派であったとしても、少数派の人たちに目を向けること自体がものすごく大事なことだと思うので、私はすごく意味があることだと思っています」