この状況になった現在も、意外にもビッグモーターで退職者はほとんど出ていないのだという。
保険金不正請求の横行に加え、店舗周辺の街路樹に除草剤を撒いていたことまで発覚。7月26日にはワンマン経営者として知られた兼重宏行氏(71歳)が社長を退いたのだから、辞める社員が続出しそうな気もするが……。
ビッグモーターの問題を追及してきた自動車生活ジャーナリストの加藤久美子氏が言う。
「新社長に就任した和泉伸二氏(54歳)の人望によるところが大きいと思います。彼を知る人たちの間では『山口県で200人以上を束ねていた暴走族元総長』と言われていて、現場から叩き上げで上り詰めた人物。兼重前社長への忠誠心で出世したという報道もありますが、実際は会社を立て直せるのは誠実で実直な和泉氏しかいないという判断だったのでしょう」
社員からは「任侠映画に出てくる高倉健のような人」という評判も聞こえてくる和泉新社長。普段は口数が少ないが、飲みに行けば部下の愚痴に付き合い、「わしらサラリーマンはツラいのぅ」と言って寄り添う人情派なのだという。
さらに、和泉新社長を支えるナンバー2も、人望は厚い。
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「石橋光国副社長(45歳)は、『バッシー』の愛称で社員から慕われています。バカ正直と言われるぐらい真っすぐな人で、石橋氏を悪く言う社員はいません。意外かもしれませんが、不正請求問題が表面化した’22年1月、ビッグモーターは内部調査を始めていたのです。それを主導したのが石橋氏。調査委員会が社員の聞き取りを行った際には、『嘘をつく必要はありません』と、社員に協力を呼び掛けたそうです」(加藤氏)
人情派の二人は、社員の声を聞き、信頼を回復できるか。
「週刊現代」2023年8月12・19日合併号
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