平成7年に大阪市東住吉区で小学6年の女児=当時(11)=が焼死した火災で、殺人などの罪で無期懲役刑が確定し、その後再審無罪となった母親の青木恵子さん(59)が、国と大阪府に計2千万円の損害賠償を求めた訴訟で、青木さん側が21日、検察の起訴の違法性を認めなかった大阪高裁判決を不服として上告した。
9日の高裁判決は、大阪府警の取り調べを違法と認定した一方、検察の起訴判断については「有罪と認められる嫌疑があった」として違法性を認めず、府のみに約1220万円の賠償を命じた。1審大阪地裁も同様の判断を示していた。
青木さんは、内縁の夫だった男性=再審無罪=と共謀し、保険金目当てで自宅に放火して長女のめぐみさんを殺害したとして、殺人罪などに問われ、無期懲役が確定。約20年間にわたる身柄拘束の末、自白の虚偽性や自然発火の可能性が認められ、平成28年の再審公判で無罪となった。