秋が訪れると、天皇皇后両陛下にとって重要な公務が連続する。「四大行幸啓」と呼ばれる公務(全国植樹祭・国民体育大会・全国豊かな海づくり大会・国民文化祭)のうち、毎年春の全国植樹祭を除く3つが秋に集中しているからだ。大抵の場合、宿泊を伴う地方公務である。
【写真】髪は耳を出すようにかけ襟足も全アップの雅子さま。他、モスクワでスキーを履いた幼き日の雅子さま、愛子さまとの手つなぎ登校姿も「今年は、まず10月1日に、栃木県で国民体育大会が開幕します。両陛下は開会式に出席されるのが恒例です。しかし今年は、栃木での滞在日程の短縮や、オンラインでのご出席などさまざまなご臨席形式が検討されています」(宮内庁関係者)
10月下旬には沖縄県で国民文化祭が、11月中旬には兵庫県で全国豊かな海づくり大会が開催予定だ。コロナ禍前の2019年にはすべて現地会場にお出ましになった両陛下だが、現段階では現地入りするかどうかの見通しが立っていないという。「特に、単独での公務が少ない雅子さまの地方へのお出ましが減ってしまうことに、宮内庁では不安の声が上がっています」(前出・宮内庁関係者) コロナ禍はいまだ完全収束していないものの、第7波の感染者数は減少傾向にあり、大混乱のピークは過ぎている。それでも雅子さまは慎重な姿勢を崩されない。卒業までオンライン授業の可能性も 国際派である天皇ご一家には、「皇室外交」への期待も強かった。しかし、即位後1年も経たないうちに始まったコロナ禍の影響で、いまだに海外訪問は実現していない。それどころか、日本国内でも地方に足を運べていないのが現状だ。「両陛下がお出ましとなれば、駅頭などに多くの人が集まります。その分、警備も必要になるのでさらに密になる。それが万一、クラスターなどにつながることがあってはなりません。国民の命を危険にさらすことはできないため、外出には慎重にならざるを得ないのです」(皇室ジャーナリスト) 移動中のみならず、地方滞在中にまで思いを巡らせなければならない。「地方滞在中にもし両陛下や随行職員の感染が判明したら、地元の医療機関が逼迫している中、利用することになります。地元の住民に迷惑をかけることにもなりかねず、そうした事態は避けたいという思いもおありなのでしょう」(前出・皇室ジャーナリスト) だからこそ、冒頭にあるようにこの秋の地方公務でも“宙ぶらりん”の状態が続いているのだ。「四大行幸啓は、昭和天皇の時代から引き継がれてきたものもあり、皇室にとってとても重要とされている公務です。両陛下が各地の伝統文化や施設を視察し、国民と交流される貴重な機会で、各地の住民も自治体も両陛下のお出ましを心待ちにしています。 しかし、今年6月に開催された全国植樹祭はオンラインでのご出席でした。コロナ禍のピーク時はたしかにオンライン公務というかたちを取らざるを得ませんでしたが、このままずっと画面越しの“臨席”となれば、国民は直接、両陛下と触れあうことができなくなる。やはり対面でのコミュニケーションとは比べものにならない。皇室と国民の心の距離が離れてしまいかねません」(別の皇室ジャーナリスト) 政府による感染拡大防止のための行動制限は、3月21日にまん延防止等重点措置が解除されて以降、行われていない。にもかかわらず、雅子さまは公務のみならず、この夏の那須御用邸での静養も自粛された。 秋篠宮ご夫妻が悠仁さまとともに、7月31日に開幕した「第46回全国高校総合文化祭」に出席し、パレードを楽しまれたり、2泊3日の八ヶ岳旅行に出かけられたりしたのとは対照的に、静かすぎる夏を過ごされた。そこまで慎重になる雅子さまの姿勢は、上皇ご夫妻の静養にも影響をおよぼしたかもしれない。「この夏は、上皇ご夫妻も静養を見送られました。天皇ご一家の判断を尊重し、それに倣われたのでしょう。上皇ご夫妻、特に美智子さまは仙洞御所にこもりきりの日々が続いていることから、職員側はお出かけいただきたいと考えていたのですが、御所で静かに過ごすことを選ばれました」(前出・皇室ジャーナリスト) おこもりが続いているのは、愛子さまも同様だ。大学3年生の愛子さまは、2020年4月の学習院大学入学後、ほとんど通学されることなく、オンライン授業を受けられている。海外や地方はもちろん、キャンパスにすら足を運ばれていない。「愛子さまは、両陛下への感染リスクを徹底的に避けるため、今後もしばらく通学の予定はないそうです。慎重なご両親を見習われてのことでしょう。すべての授業をオンラインで受け、通学せずに卒業もできるようですが、それではせっかくの学生生活が味気ないものになってしまう」(前出・皇室ジャーナリスト) 実際に会って、言葉を交わさないと深められない関係もある。友人関係だけではない。どれだけ言語を学んで身につけても、その言語を日常的に使っている人と直接交流しなければ得られない視点がある。愛子さまはいま、そうした視点を手に入れる機会を奪われてしまっている。歌に詠まれるほど楽しまれた短期留学の続きも、しばらくは実現しそうにない。 大学生の間に出会い、親しくなれたかもしれない友人の多くは、愛子さまが“おこもり”を続けている間にキャンパスを去っていく。「『両陛下を支える』と明言された聡明な愛子さまは、雅子さまの慎重な姿勢を慮って、“キャンパスに通いたい”“お友達を呼びたい”といった希望を口にされることはないそうです。しかし、その“縛られた学生生活”は真に愛子さまのためになるのか。愛子さまが心置きなくさまざまな経験を積めるよう、雅子さまが背中を押して差し上げてもよいようにも思えるのですが……。 御所を訪れる来客は数えるほどで、側近職員のコロナ陽性が判明したことから、職員との接触も必要最低限になっている。御所には、“ご家族3人の時間”だけが流れています」(皇室関係者)※女性セブン2022年9月22日号
「今年は、まず10月1日に、栃木県で国民体育大会が開幕します。両陛下は開会式に出席されるのが恒例です。しかし今年は、栃木での滞在日程の短縮や、オンラインでのご出席などさまざまなご臨席形式が検討されています」(宮内庁関係者)
10月下旬には沖縄県で国民文化祭が、11月中旬には兵庫県で全国豊かな海づくり大会が開催予定だ。コロナ禍前の2019年にはすべて現地会場にお出ましになった両陛下だが、現段階では現地入りするかどうかの見通しが立っていないという。
「特に、単独での公務が少ない雅子さまの地方へのお出ましが減ってしまうことに、宮内庁では不安の声が上がっています」(前出・宮内庁関係者)
コロナ禍はいまだ完全収束していないものの、第7波の感染者数は減少傾向にあり、大混乱のピークは過ぎている。それでも雅子さまは慎重な姿勢を崩されない。
国際派である天皇ご一家には、「皇室外交」への期待も強かった。しかし、即位後1年も経たないうちに始まったコロナ禍の影響で、いまだに海外訪問は実現していない。それどころか、日本国内でも地方に足を運べていないのが現状だ。
「両陛下がお出ましとなれば、駅頭などに多くの人が集まります。その分、警備も必要になるのでさらに密になる。それが万一、クラスターなどにつながることがあってはなりません。国民の命を危険にさらすことはできないため、外出には慎重にならざるを得ないのです」(皇室ジャーナリスト)
移動中のみならず、地方滞在中にまで思いを巡らせなければならない。
「地方滞在中にもし両陛下や随行職員の感染が判明したら、地元の医療機関が逼迫している中、利用することになります。地元の住民に迷惑をかけることにもなりかねず、そうした事態は避けたいという思いもおありなのでしょう」(前出・皇室ジャーナリスト)
だからこそ、冒頭にあるようにこの秋の地方公務でも“宙ぶらりん”の状態が続いているのだ。
「四大行幸啓は、昭和天皇の時代から引き継がれてきたものもあり、皇室にとってとても重要とされている公務です。両陛下が各地の伝統文化や施設を視察し、国民と交流される貴重な機会で、各地の住民も自治体も両陛下のお出ましを心待ちにしています。
しかし、今年6月に開催された全国植樹祭はオンラインでのご出席でした。コロナ禍のピーク時はたしかにオンライン公務というかたちを取らざるを得ませんでしたが、このままずっと画面越しの“臨席”となれば、国民は直接、両陛下と触れあうことができなくなる。やはり対面でのコミュニケーションとは比べものにならない。皇室と国民の心の距離が離れてしまいかねません」(別の皇室ジャーナリスト)
政府による感染拡大防止のための行動制限は、3月21日にまん延防止等重点措置が解除されて以降、行われていない。にもかかわらず、雅子さまは公務のみならず、この夏の那須御用邸での静養も自粛された。
秋篠宮ご夫妻が悠仁さまとともに、7月31日に開幕した「第46回全国高校総合文化祭」に出席し、パレードを楽しまれたり、2泊3日の八ヶ岳旅行に出かけられたりしたのとは対照的に、静かすぎる夏を過ごされた。そこまで慎重になる雅子さまの姿勢は、上皇ご夫妻の静養にも影響をおよぼしたかもしれない。
「この夏は、上皇ご夫妻も静養を見送られました。天皇ご一家の判断を尊重し、それに倣われたのでしょう。上皇ご夫妻、特に美智子さまは仙洞御所にこもりきりの日々が続いていることから、職員側はお出かけいただきたいと考えていたのですが、御所で静かに過ごすことを選ばれました」(前出・皇室ジャーナリスト)
おこもりが続いているのは、愛子さまも同様だ。大学3年生の愛子さまは、2020年4月の学習院大学入学後、ほとんど通学されることなく、オンライン授業を受けられている。海外や地方はもちろん、キャンパスにすら足を運ばれていない。
「愛子さまは、両陛下への感染リスクを徹底的に避けるため、今後もしばらく通学の予定はないそうです。慎重なご両親を見習われてのことでしょう。すべての授業をオンラインで受け、通学せずに卒業もできるようですが、それではせっかくの学生生活が味気ないものになってしまう」(前出・皇室ジャーナリスト)
実際に会って、言葉を交わさないと深められない関係もある。友人関係だけではない。どれだけ言語を学んで身につけても、その言語を日常的に使っている人と直接交流しなければ得られない視点がある。愛子さまはいま、そうした視点を手に入れる機会を奪われてしまっている。歌に詠まれるほど楽しまれた短期留学の続きも、しばらくは実現しそうにない。
大学生の間に出会い、親しくなれたかもしれない友人の多くは、愛子さまが“おこもり”を続けている間にキャンパスを去っていく。
「『両陛下を支える』と明言された聡明な愛子さまは、雅子さまの慎重な姿勢を慮って、“キャンパスに通いたい”“お友達を呼びたい”といった希望を口にされることはないそうです。しかし、その“縛られた学生生活”は真に愛子さまのためになるのか。愛子さまが心置きなくさまざまな経験を積めるよう、雅子さまが背中を押して差し上げてもよいようにも思えるのですが……。
御所を訪れる来客は数えるほどで、側近職員のコロナ陽性が判明したことから、職員との接触も必要最低限になっている。御所には、“ご家族3人の時間”だけが流れています」(皇室関係者)
※女性セブン2022年9月22日号