静岡県伊東市の田久保真紀市長が2025年10月4日、Xで元航空自衛官の片桐基至(もとゆき)氏による「語る会」を紹介する投稿を行い、波紋を広げている。片桐氏は、10月に行われる市長選への立候補を表明している。
田久保氏をめぐっては、学歴詐称疑惑を発端として9月1日に不信任決議案が市議会に提出され、全会一致で可決。10日には、補正予算案提出の準備などが止まったことを理由に市議会を解散した。
解散に伴う伊東市議選は、10月12日告示・19日投開票の予定だ。市議選後には再び田久保市長に対する不信任決議案が提出される見込みであり、田久保氏の失職を避けるためには反対多数での否決または7人以上の欠席が必要とされる。
こうした中、田久保氏は4日、「元航空自衛隊のパイロットで 空を飛びながら『真に日本を守るためには政治を変える必要がある』と決意して政治家を志したという44歳」として、片桐氏を紹介した。
「今後は伊豆高原のメガソーラー問題でも、先頭に立って地域を守ってくれることに期待」とし、「今日と明日、地元伊東市で語る会が開かれます。伊東市民の方は是非ご参加下さい」と呼びかけている。
添えられた画像には、伊東市の遠景に「地域の暮らしと命を守る」「片桐もとゆきと語る会」とのフレーズが書かれている。「語る会」は、先週末の4日、5日に予定されていた。
田久保氏による片桐氏への「公認」とも取れる投稿だが、SNSでは「メガソーラー問題よりも貴方自身の大きな問題に目を背けるな」「いつになったら卒業証書を持っている説明をするのか? 逃げ通せると思ってはいけない」などとする声が上がった。
片桐氏によるSNSの最終投稿は4月7日。リプライでも7月26日を最後に更新が停止しているが、Xのリンク欄からは「片桐もとゆき後援会 公式サイト」に飛ぶことができる。
サイトトップに表示されたYouTube動画のタイトルは、「田久保市長の不信任決議案が出たら反対します」。記者からの質問に答える様子を映したもので、片桐氏は「私はですね、田久保市長への不信任が出た場合には、それは否決をしていきたいと考えております」と回答した。
否決の理由については「前の市長選で、民意として田久保に託すということが、結果として出ました。それはやはり旧態依然のこの伊東の政治への不満、そして、『変えて欲しい』という市民の願いがですね、1票1票重なってそういった結果になったと考えております」などと説明していた。
サイトの「ご挨拶」の欄では、「前回の市長選挙では、市民の皆様がこれらの旧態依然の市政を変えるため、田久保市長を誕生させました。これは民主主義の成果です」とした上で、「その結果を受け、本来であれば市議会も変わるべきでした」と主張。
「しかし、市議会は変わりませんでした。前市政を踏襲するかのように、卑劣なやり方で田久保市長の排除が組織的に図られています。これが今の惨状です。 市政を真に改革するためには、根本原因を明らかにしつつ、まず市議会が変わらなければなりません」とつづっている。