14日午前11時10分頃、大阪市此花区の人工島・舞洲(まいしま)の「舞洲スポーツアイランド」で、音楽イベントのリハーサル中、装置から噴き出した水が、近くで点検作業をしていた埼玉県東松山市の自営業八代達司さん(40)の顔を直撃した。
八代さんは搬送先の病院で死亡し、大阪府警此花署は、業務上過失致死容疑で水が噴出した経緯や安全管理態勢を調べる。
同署などによると、八代さんが倒れているのに気付いたスタッフが119番。死因は顔面負傷による脳挫傷だった。
装置は、イベントなどで観客席に水を降り注ぐために作られたもので、「ウォーターキャノン」(長さ約1・6メートル、口径約7・5センチ)と呼ばれる。韓国からこの音楽イベントのために持ち込まれ、会場のステージ近くに40本を設置していた。水は時速約120キロで噴出されるという。
作動させるには「主電源」「スタンバイ」「発射」の順に3回操作する仕組み。担当するスタッフは、主電源とスタンバイを操作した後、複数の筒が作動し、水が噴出したと説明しているといい、同署は水が噴き出した経緯を調べる。
イベントは、15、16日に開催予定だった韓国発祥の大型音楽フェスティバル「WATERBOMB(ウォーターボム)JAPAN2023大阪公演」。
主催したイベント会社「SHOW K」(東京)によると、出演アーティストが舞台で歌やダンスを披露する中、観客と水鉄砲などを撃ち合うなどして盛り上げる内容。一斉に水が噴き出すウォーターキャノンがイベントの見せ場の一つという。韓国の女性アイドルグループ「STAYC(ステイシー)」や、日本人ラッパーの「ちゃんみな」らが出演予定だった。
同社は、2日間で計3万人弱の来場を見込んでいたが、事故を受け、イベントを中止することを決めた。販売済みのチケットは全額返金するといい、「会場設営の際、重大な事故が発生し、開催がこれ以上不可能と判断した。再発防止に取り組む」とのコメントを発表した。