大手電力4グループが電力販売で独占禁止法違反のカルテルを結んだとされる問題で、経済産業省は14日、電力各社に電気事業法に基づく業務改善命令を出す。電力大手に対する業務改善命令は、4月の新電力の顧客情報の不正閲覧に続き今年2度目。
「あうん」「停戦協定」…電力カルテル生んだ特異な「情報交換」 業務改善命令を受けるのは、関西電力▽中部電力ミライズ▽中国電力▽九州電力▽九電みらいエナジーの5社。経産省は営業戦略を各社が頻繁にやりとりすることなどが電気事業の健全な発展に支障を及ぼす恐れがあるとして問題視。各社に再発防止に向けた業務改善計画の策定を求める。
経産省の電力・ガス取引監視等委員会(電取委)は6月19日、業務改善命令を出すよう経産相に勧告している。電取委の報告書によると、関電は2017年10月~20年12月、各電力との間で、少なくとも数十回にわたって情報交換をしていた。互いのエリアでの販売状況や域外進出の経緯など営業上重要な情報を含むやりとりが一定回数以上確認された。 経営層や役員、管理職などさまざまな立場の社員が関与し、社内で情報共有するケースもあるなど組織的な対応だった。 公正取引委員会は3月、中部、中国、九州の電力3社などに対し、関電との販売競争を不当に制限するカルテルを結んだとして、総額1010億円超の課徴金納付命令と排除措置命令を出した。公取委の調査前に自主申告した関電は、課徴金減免制度(リーニエンシー)が適用されて命令を免れたが、4グループとも独禁法違反(不当な取引制限)を認定された。 カルテルを巡っては、中部電と中国電は「(公取委の)事実認定や法解釈の見解に相違がある」として、命令の取り消しを求める訴訟を起こす方針を決めているほか、九電も訴訟を検討している。【佐久間一輝】
業務改善命令を受けるのは、関西電力▽中部電力ミライズ▽中国電力▽九州電力▽九電みらいエナジーの5社。経産省は営業戦略を各社が頻繁にやりとりすることなどが電気事業の健全な発展に支障を及ぼす恐れがあるとして問題視。各社に再発防止に向けた業務改善計画の策定を求める。
経産省の電力・ガス取引監視等委員会(電取委)は6月19日、業務改善命令を出すよう経産相に勧告している。電取委の報告書によると、関電は2017年10月~20年12月、各電力との間で、少なくとも数十回にわたって情報交換をしていた。互いのエリアでの販売状況や域外進出の経緯など営業上重要な情報を含むやりとりが一定回数以上確認された。
経営層や役員、管理職などさまざまな立場の社員が関与し、社内で情報共有するケースもあるなど組織的な対応だった。
公正取引委員会は3月、中部、中国、九州の電力3社などに対し、関電との販売競争を不当に制限するカルテルを結んだとして、総額1010億円超の課徴金納付命令と排除措置命令を出した。公取委の調査前に自主申告した関電は、課徴金減免制度(リーニエンシー)が適用されて命令を免れたが、4グループとも独禁法違反(不当な取引制限)を認定された。
カルテルを巡っては、中部電と中国電は「(公取委の)事実認定や法解釈の見解に相違がある」として、命令の取り消しを求める訴訟を起こす方針を決めているほか、九電も訴訟を検討している。【佐久間一輝】