【リオデジャネイロ=大月美佳】堺市の自宅マンションで昨年8月、荒牧愛美さん(当時29歳)と長女のリリィちゃん(当時3歳)が殺害された事件で、ブラジル連邦警察は14日、ブラジル国籍の夫バルボサ・アンデルソン・ロブソン容疑者(34)を殺人容疑で逮捕した。
バルボサ容疑者は事件後にブラジルへ帰国し、大阪府警が国際手配していた。
発表によると、バルボサ容疑者は14日午後(日本時間15日午前)、サンパウロ市内で逮捕された。「日本の警察当局との国際協力で居場所を突き止めた」と説明している。
バルボサ容疑者は出身地の南部パラナ州の拘置所に移送されるという。ブラジルは日本と犯罪人引き渡し条約を結んでおらず、自国民の引き渡しを憲法で禁じている。日本にバルボサ容疑者を移送できないため、大阪府警からの「代理処罰」の要請に基づきブラジルで裁判が行われる見通しだ。
バルボサ容疑者は昨年8月20~21日、堺市東区日置荘西町の自宅で愛美さんとリリィちゃんの胸を包丁で刺して殺害した疑いが持たれている。事件後、連絡が取れなくなり、同22日夜に成田空港からブラジルへ出国したことが防犯カメラ映像などで確認されていた。