おととい、静岡県牧之原市の認定こども園の通園バスで置き去りにされた園児が死亡した事件で、園の理事長が責任をとって辞任する考えを明らかにしています。
川崎幼稚園増田立義理事長「亡くなられた園児及び、ご遺族に心よりお詫び申し上げます。また、保護者の方々につきましては、今回の事故によってご心配、ご迷惑をおかけしておりますところ、お詫び申し上げます」
カメラの前で深々と頭を下げたのは、川崎幼稚園の増田立義理事長。静岡県牧之原市で、3歳の園児1人が置き去りにされ、死亡した通園バスの運転をしていた人物です。
川崎幼稚園増田立義理事長「理事長、園長を、後任が決まり次第、いち早く退任する予定」
増田理事長は責任をとって、理事長と園長をやめる考えを示しました。
この事件はおととい、牧之原市の認定こども園「川崎幼稚園」の通園バスの中で、この園に通う河本千奈ちゃん(3)が心肺停止の状態で発見され、その後、死亡が確認されたものです。
千奈ちゃんが乗ったバスは理事長が運転し、女性職員が添乗していましたが、理事長は千奈ちゃんの降車を確認しなかったということです。
川崎幼稚園増田立義理事長「ドアの方は見ました。でも後ろ側は見えないですね、運転席から」
記者会見に先立ち、園はきょう午前、保護者への説明会を開きましたが、会は紛糾しました。
千奈ちゃんの父親「明らかな過失です、報告を受けています。いないという報告を受けているのに、無視しました」
100人を超える保護者が集まった説明会ではトラブルが発生しました。
記者「救急車や消防車が続々とこども園に到着しています」
参加した保護者らによりますと、説明会で千奈ちゃんの父親が話をしている最中に、複数の参加者が相次いで過呼吸のような症状を起こしました。消防は女性13人を搬送。説明会はパニックのまま中断されました。
亡くなった千奈ちゃんの置かれた状況が警察の捜査で少しずつ明らかになってきました。千奈ちゃんの死因は重度の熱中症ですが、捜査関係者によりますと、これまでに通園バスの中から千奈ちゃんの空になった水筒が見つかったということです。
また、千奈ちゃんは登園時に後ろから2番目の席に座っていましたが、発見された際には前から3列目付近にいたことが分かっています。警察は温度が上がったバスの中で、千奈ちゃんが水を飲みながら、助けを求めて動いていた可能性もあるとみて調べを進めています。