福岡県篠栗(ささぐり)町で2020年4月に碇翔士郎(いかりしょうじろう)ちゃん(当時5歳)が十分な食事を与えられず餓死した事件を巡り、翔士郎ちゃんの母親の「ママ友」で保護責任者遺棄致死罪などに問われた赤堀恵美子被告(49)に対する裁判員裁判の公判が5日、福岡地裁(冨田敦史裁判長)であった。母親の碇利恵被告(40)=同罪で有罪判決を受け控訴中=に対する証人尋問があり、碇被告が赤堀被告に渡していたとされる生活費の使い道について「パチンコや美容、旅行だと思う」と述べた。
5歳餓死後に「スマホ処分し、証拠消せ」 碇被告は検察側の証人として出廷し、証人尋問は4日目。これまでの公判で、碇被告は生活費など約1300万円を赤堀被告に渡したと説明している。うち約198万円について赤堀被告は詐欺と窃盗の罪に問われているが、いずれも否認し、無罪を主張している。 公判での碇被告の証言によると、両被告は一時期、平日の日中はほぼ一緒に過ごしていた。赤堀被告はパチンコに多い時は週4日通い、ネイルケアや「まつげエクステ」などで美容室にも頻繁に行っていたという。大分・別府温泉などにも旅行していたといい、碇被告は「パチンコで1回3万円くらい、普通に使っていたのでは」と話した。 この日は碇被告の元夫も証言に立ち、赤堀被告について「何一つ真実を語らない姿勢はあきれて言葉もない。罪を償ってもらう必要がある」と批判した。 また元夫は、赤堀被告から事件当時、食事制限などの指示を受けていたとされる、翔士郎ちゃんのきょうだいからの「伝言」も紹介。「『赤堀被告の言うことは全てうそだ。指示をされていた僕らはろくに食事も取れず長い間、苦しい思いをした。母親の碇利恵(被告)が言っていることが真実だ』と伝えてくれと言われた」と話した。 一方、赤堀被告は被告人質問で、碇被告の証言を否定。碇被告の証言に沿うような会話の録音記録が残っているという指摘には「碇(被告)からそういうふうに言うように指示された。碇(被告)に嫌われないよう協力していた」と述べた。 6日にも赤堀被告への被告人質問が予定されていたが、台風11号の接近を考慮して7日に延期された。【平塚雄太】
碇被告は検察側の証人として出廷し、証人尋問は4日目。これまでの公判で、碇被告は生活費など約1300万円を赤堀被告に渡したと説明している。うち約198万円について赤堀被告は詐欺と窃盗の罪に問われているが、いずれも否認し、無罪を主張している。
公判での碇被告の証言によると、両被告は一時期、平日の日中はほぼ一緒に過ごしていた。赤堀被告はパチンコに多い時は週4日通い、ネイルケアや「まつげエクステ」などで美容室にも頻繁に行っていたという。大分・別府温泉などにも旅行していたといい、碇被告は「パチンコで1回3万円くらい、普通に使っていたのでは」と話した。
この日は碇被告の元夫も証言に立ち、赤堀被告について「何一つ真実を語らない姿勢はあきれて言葉もない。罪を償ってもらう必要がある」と批判した。
また元夫は、赤堀被告から事件当時、食事制限などの指示を受けていたとされる、翔士郎ちゃんのきょうだいからの「伝言」も紹介。「『赤堀被告の言うことは全てうそだ。指示をされていた僕らはろくに食事も取れず長い間、苦しい思いをした。母親の碇利恵(被告)が言っていることが真実だ』と伝えてくれと言われた」と話した。
一方、赤堀被告は被告人質問で、碇被告の証言を否定。碇被告の証言に沿うような会話の録音記録が残っているという指摘には「碇(被告)からそういうふうに言うように指示された。碇(被告)に嫌われないよう協力していた」と述べた。
6日にも赤堀被告への被告人質問が予定されていたが、台風11号の接近を考慮して7日に延期された。【平塚雄太】