オードリー・若林正恭さんとアナウンサーの弘中綾香さんが司会を務め、ユニークな人生を歩んできた一般の人を紹介する「激レアさんを連れてきた。」(テレビ朝日系列)。9月5日(2022年)放送回の激レアさんは、「作れば作れるほど損をする幻のコロッケを30年先まで作り続けることが確定している」という精肉店「旭屋」の店主・ニッタさんでした。
ネット限定で販売している「極みコロッケ」は、今から予約するとなんと30年待ち! 神戸牛を愛しすぎたニッタさんの謙虚なキャラクターと、人気爆発のきっかけとなった芸人さんのエピソードに、ゲストのなにわ男子・大橋和也さんやファーストサマーウイカさんも盛り上がりを見せていました。
「神戸牛のおいしさを全国に広めたい」という思いでA5ランクの神戸牛がゴロゴロ入った「極みコロッケ」を生み出したニッタさん。そのおいしさが口コミで広がり、テレビや雑誌からの取材も殺到した結果、あっという間に「予約から発送まで14年待ち」という異常事態になったといいます。
当時の販売価格は1個300円でしたが、原価は1個700円。ひとつ作るたびに400円もの赤字が出てしまいますが、ニッタさんには「コロッケのおいしさに感動した人が神戸牛を買ってくれるだろう」という思惑がありました。しかし、実際は極みコロッケの人気だけが一人歩きしてしまい、他の商品の売上にはあまり影響がなかった模様。「メディアに取り上げられるために、わざとゆっくり作ってるんじゃない?」と言われたり、近所の人から「ひとつくらい分けてよ」と頼まれたり、といった状況に心が折れたニッタさんは、2015年に新規予約を停止してしまいます。
予約停止から3年。待ち時間は約10年まで減少しましたが、再開を望む電話が鳴り止むことはありませんでした。なかでもニッタさんの心を動かしたのは、「あと半年でコロッケが届く、というところで病気が発覚したけど、何年も待ったのに食べずに死ねるか、と頑張ることができた。生きる勇気をくれた極みコロッケを再開してください」という1本の電話でした。
かくして、1個500円に値上げして新規受付を再開。SNSで話題を集めて予約件数は伸びる一方でしたが、さらに火をつけたのが南海キャンディーズ・山里亮太さんの発言でした。ラジオ番組で「10年前に注文していた極みコロッケが届き、妻と一緒に食べたところ、そのおいしさに感動した」とうエピソードを話したところ、予約が爆発的に伸びて30年待ちになったと言います。
実は現在の原価は1個あたり1000円以上。赤字幅は1個あたり500円以上と以前より拡大してしまったのですが、ニッタさんは「本当にありがたい。神戸牛がメディアに出ることが僕らの第一歩」と謙虚な姿勢を崩しません。しかし、司会の若林さんが「山ちゃんは、他のお肉は買ってなかったですか?」と聞くと、言いにくそうに「いや、買ってなかったです」と返答。弘中アナやゲストのなにわ男子・大橋和也さんが「山里さん、今すぐ買ってください」と呼びかけ、スタジオには笑いが巻き起こっていました。
放送後に旭屋のホームページを確認したところ、極みコロッケは「約30年待ち!」との表記とともに、5個2700円で販売されていました。また、「お届けまで待てない! という方のためにおススメのコロッケ」として、神戸ビーフプレミアコロッケや高砂コロッケといった商品も販売中。この放送を受けて、待ち時間がさらに長くなってしまうのか、気になるところです。
(Hibunny)