厚生労働省は23日、2022年に心筋炎で死亡した茨城県の70代女性について、マダニが媒介するとみられる「オズウイルス」が原因だったと明らかにした。オズウイルスの感染による症状が確認されたのは、世界で初めて。
【図解でわかる】もし、マダニにかまれてしまったら… 厚労省は、マダニにかまれることで感染する可能性があるとして、マダニが多く生息する草むらなどに行く際、肌の露出が少ない服を着るなどの注意を呼び掛けている。 国立感染症研究所(感染研)などの報告によると、女性は昨夏、発熱や倦怠(けんたい)感などの症状が出て入院した。入院から20日目に意識障害や多発性脳梗塞(こうそく)の症状が出て、その6日後に死亡した。
女性は入院時、太ももの付け根をマダニにかまれており、死亡後の病理解剖でオズウイルスの遺伝子が検出された。女性に海外渡航歴はなかったが、高血圧症や脂質異常症の基礎疾患があった。 オズウイルスは18年、愛媛県の「タカサゴキララマダニ」から初めて見つかった。国内で広く分布している可能性が指摘されていたが、人への感染による症状や死亡は確認されていなかった。 過去の研究ではオズウイルスに感染して抗体を持つ人が国内で確認されており、感染研の鈴木忠樹・感染病理部長は「無症状や軽症の人がいる可能性も考えられる。危険性を調べるため、もっと幅広く検査する必要がある」と話した。 マダニが媒介する感染症には、重症熱性血小板減少症候群(SFTS)ウイルスが引き起こす感染症がある。初期症状として発熱や全身の倦怠感がみられ、重症化して死亡することもある。【添島香苗】
厚労省は、マダニにかまれることで感染する可能性があるとして、マダニが多く生息する草むらなどに行く際、肌の露出が少ない服を着るなどの注意を呼び掛けている。
国立感染症研究所(感染研)などの報告によると、女性は昨夏、発熱や倦怠(けんたい)感などの症状が出て入院した。入院から20日目に意識障害や多発性脳梗塞(こうそく)の症状が出て、その6日後に死亡した。
女性は入院時、太ももの付け根をマダニにかまれており、死亡後の病理解剖でオズウイルスの遺伝子が検出された。女性に海外渡航歴はなかったが、高血圧症や脂質異常症の基礎疾患があった。
オズウイルスは18年、愛媛県の「タカサゴキララマダニ」から初めて見つかった。国内で広く分布している可能性が指摘されていたが、人への感染による症状や死亡は確認されていなかった。
過去の研究ではオズウイルスに感染して抗体を持つ人が国内で確認されており、感染研の鈴木忠樹・感染病理部長は「無症状や軽症の人がいる可能性も考えられる。危険性を調べるため、もっと幅広く検査する必要がある」と話した。
マダニが媒介する感染症には、重症熱性血小板減少症候群(SFTS)ウイルスが引き起こす感染症がある。初期症状として発熱や全身の倦怠感がみられ、重症化して死亡することもある。【添島香苗】