認知症が原因で行方不明になったとして、2022年に全国の警察に届け出があったのは過去最多の1万8709人だったことが22日、警察庁のまとめで判明した。前年比で1073人(6・1%)増え、統計を取り始めた12年以降、10年連続で増加した。22年中に所在を確認できなかったのは前年比48人増の284人で、19年の245人を上回り、最多を更新した。
【写真】認知症の人に見える世界 警察庁によると、認知症を原因とする行方不明者の内訳は、男性1万314人(55・1%)、女性8395人(44・9%)。都道府県別では、兵庫2115人▽大阪1996人▽埼玉1902人――の順に多く、青森(47人)や和歌山(44人)、島根(42人)が少なかった。

21年以前の届け出も含め、22年中に見つかったのは1万8414人で、警察や家族らに発見されたのは1万7923人、死亡していたのは491人だった。一方、届け出の取り下げなどが148人あった。所在確認の時期は99・6%が1週間以内で、届け出当日は77・5%だった。 認知症以外も含めた行方不明者の届け出総数は、前年比5692人増の8万4910人で、2年連続で増加した。新型コロナウイルスの感染拡大が始まった20年は過去最少となっていたが、コロナ禍前の水準に戻ったとみられる。原因・動機別では認知症が22%で最多だった。 谷公一・国家公安委員長は22日の定例記者会見で、認知症を原因とする行方不明事案について「自治体、消防団、事業者などと連携し、地域社会全体で取り組むことが大変重要。行方不明者の発見、保護が迅速かつ適切に行われるよう警察を指導したい」と述べた。【松本惇】
警察庁によると、認知症を原因とする行方不明者の内訳は、男性1万314人(55・1%)、女性8395人(44・9%)。都道府県別では、兵庫2115人▽大阪1996人▽埼玉1902人――の順に多く、青森(47人)や和歌山(44人)、島根(42人)が少なかった。
21年以前の届け出も含め、22年中に見つかったのは1万8414人で、警察や家族らに発見されたのは1万7923人、死亡していたのは491人だった。一方、届け出の取り下げなどが148人あった。所在確認の時期は99・6%が1週間以内で、届け出当日は77・5%だった。
認知症以外も含めた行方不明者の届け出総数は、前年比5692人増の8万4910人で、2年連続で増加した。新型コロナウイルスの感染拡大が始まった20年は過去最少となっていたが、コロナ禍前の水準に戻ったとみられる。原因・動機別では認知症が22%で最多だった。
谷公一・国家公安委員長は22日の定例記者会見で、認知症を原因とする行方不明事案について「自治体、消防団、事業者などと連携し、地域社会全体で取り組むことが大変重要。行方不明者の発見、保護が迅速かつ適切に行われるよう警察を指導したい」と述べた。【松本惇】