東京都狛江市の住宅で大塩衣与さん(90)が殺害された強盗殺人事件で実行役が逮捕されたことを受け、大塩さんの60代の長男が22日、取材に応じ「実行役2人が逮捕されたからと言って、おふくろが生き返るわけではない。実行役に対する気持ちは特にない」と語った。
一連の広域強盗事件では実行犯は交流サイト(SNS)の高額報酬をうたう闇バイトを通じて集められたとされる。長男は、実行役らについて「会ったことはない」とした上で、何らかの事情を抱えて事件に加担したと分析。「社会の『ひずみ』の中で起きたことだと思う」と話した。
大塩さんは、かつて夫と品川区内ですし店を営みながら長男と次男を育てたとされる。夫とは30年前に死別し、数年前に長男に呼び寄せられて、狛江の住宅で同居するようになったという。
長男は「おふくろには愛情をもらった。言葉にすることはなかったが、感謝していた。『おふくろ、ごめんな』と言いたい」と語った。(橘川玲奈)