「子育てして気づいた。妻は根気強い。3才娘が玄関で靴を投げたので僕が「靴投げたらダメ!」と叱ったが、妻が「靴が『痛い痛い』って泣くから…ダメだよ。」と理由を説明する。その後「靴を履こうね。」と肯定的な言葉で穏やかに伝え、娘が靴を履くと褒める。次の日も同じ事を粘り強く伝えてた。尊敬。」とツイートしたのは、くりさん(@Crystallineazu1)。
【写真】話題となったくりさんの投稿親は子供がいけないことをしたらつい叱ってしまいますが、そこを抑えて諭した奥さん。確かになかなかできることではありません。投稿者さんに話を聞きました。

ーーお子さんを叱ることはないのですか。「まず、『子供を叱るべき悪いこと』について夫婦で話し合っている基準があります。それは1.自分を傷つけるようなことをした時。2.誰かを傷つけるようなことをした時。3.命の危険に及ぶような行為を咄嗟に止める時。の3つです。そもそも子供を叱る場面はあまりないのでは?というのが私達の見解でした」ーー「靴を投げた」ことは叱ることではなかったと。「そうです。今回、3才の娘が靴を投げただけで僕が叱ったのは早まり過ぎたな、というのが僕の反省です。そもそも、頭ごなしに『靴を投げたらダメ!』と親から叱られたところで、3才の娘は自分が『なぜ叱られたのか?』とその理由すら理解できなかったと思います。それを踏まえた上で、妻はそもそも最初から叱るつもりはなかったようです」ーー素晴らしい奥様ですね。「妻が冷静かつ穏やかに娘を諭したことと、なぜ靴を投げてはいけないのか?ということを3才児にも伝わる表現で噛み砕いて説明していたことも素晴らしいと思いました」ーー親が叱りつけても、お子さんには伝わらなかったでしょうね。「妻は、『靴を履きなさい!』と命令するのではなく、『靴を履こうね』と肯定的な声かけをして、娘が自分から靴を履くのを促しました。そして、実際に履いたら褒めて、『靴を履く』という行動を強化したのです。娘の不適切な行動を抑制し、適切な行動を引き出し、それを強化する、一連の流れががスムーズに行われていました。」ーー否定的な言葉や態度で接したらどうなるでしょうか。「否定的な言葉でガミガミ怒られた子供は、怒られている理由や言われている言葉の内容が頭に入ってこず、ガミガミ怒られている嫌な雰囲気だけが脳裏に焼き付くのではないかと思います。否定的な言葉は、叱る方からしたら『不適切な行動を否定』しているつもりかも知れませんが、子供からすれば『自分自身を否定』されていると考えるでしょう。」ーーかえって悪影響を及ぼしますね。「そうです。自己肯定感が下がるだけです。叱る方はエネルギーを使い、叱られる方は自己肯定感を下げ、お互いにとって何も良いことがないと考えます。」ーー翌日、またお子さんは靴を投げたのですか。「はい。次の日も、前日のことなど何も覚えていなかったかのように靴を投げました。それでも妻は、『昨日話したでしょ!分からないの!?』と叱らず、また一から丁寧に話して伝えていたことに再び素晴らしいと感動しました。」ーー粘り強く接することが大事だと思われますか。「私たち大人でも、1回言われただけで次から完璧にできるわけではありません。成長、発達中の子供ならなおさらです。子供がきちんと理解し、飲み込んで、行動が定着するまで粘り強く関わることは、人を育てる上でとても大事なことだと思います。」ーー親が自分自身の感情をコントロールする必要がありますね。「『怒りは人間関係を分断する感情である』という考え方がありますが、『相手の為』と言いながら、実は自分の怒りを相手にぶつけて気持ちよくなろうとしているだけ、というケースもあると思います。怒りに振り回されず、冷静に穏やかに粘り強く関わっていくことが、一見遠回りなようで成長への一番の近道だと僕は考えています。」(まいどなニュース特約・渡辺 陽)
親は子供がいけないことをしたらつい叱ってしまいますが、そこを抑えて諭した奥さん。確かになかなかできることではありません。投稿者さんに話を聞きました。
ーーお子さんを叱ることはないのですか。
「まず、『子供を叱るべき悪いこと』について夫婦で話し合っている基準があります。それは1.自分を傷つけるようなことをした時。2.誰かを傷つけるようなことをした時。3.命の危険に及ぶような行為を咄嗟に止める時。の3つです。そもそも子供を叱る場面はあまりないのでは?というのが私達の見解でした」
ーー「靴を投げた」ことは叱ることではなかったと。
「そうです。今回、3才の娘が靴を投げただけで僕が叱ったのは早まり過ぎたな、というのが僕の反省です。そもそも、頭ごなしに『靴を投げたらダメ!』と親から叱られたところで、3才の娘は自分が『なぜ叱られたのか?』とその理由すら理解できなかったと思います。それを踏まえた上で、妻はそもそも最初から叱るつもりはなかったようです」
ーー素晴らしい奥様ですね。
「妻が冷静かつ穏やかに娘を諭したことと、なぜ靴を投げてはいけないのか?ということを3才児にも伝わる表現で噛み砕いて説明していたことも素晴らしいと思いました」
ーー親が叱りつけても、お子さんには伝わらなかったでしょうね。
「妻は、『靴を履きなさい!』と命令するのではなく、『靴を履こうね』と肯定的な声かけをして、娘が自分から靴を履くのを促しました。そして、実際に履いたら褒めて、『靴を履く』という行動を強化したのです。娘の不適切な行動を抑制し、適切な行動を引き出し、それを強化する、一連の流れががスムーズに行われていました。」
ーー否定的な言葉や態度で接したらどうなるでしょうか。
「否定的な言葉でガミガミ怒られた子供は、怒られている理由や言われている言葉の内容が頭に入ってこず、ガミガミ怒られている嫌な雰囲気だけが脳裏に焼き付くのではないかと思います。否定的な言葉は、叱る方からしたら『不適切な行動を否定』しているつもりかも知れませんが、子供からすれば『自分自身を否定』されていると考えるでしょう。」
ーーかえって悪影響を及ぼしますね。
「そうです。自己肯定感が下がるだけです。叱る方はエネルギーを使い、叱られる方は自己肯定感を下げ、お互いにとって何も良いことがないと考えます。」
ーー翌日、またお子さんは靴を投げたのですか。
「はい。次の日も、前日のことなど何も覚えていなかったかのように靴を投げました。それでも妻は、『昨日話したでしょ!分からないの!?』と叱らず、また一から丁寧に話して伝えていたことに再び素晴らしいと感動しました。」
ーー粘り強く接することが大事だと思われますか。
「私たち大人でも、1回言われただけで次から完璧にできるわけではありません。成長、発達中の子供ならなおさらです。子供がきちんと理解し、飲み込んで、行動が定着するまで粘り強く関わることは、人を育てる上でとても大事なことだと思います。」
ーー親が自分自身の感情をコントロールする必要がありますね。
「『怒りは人間関係を分断する感情である』という考え方がありますが、『相手の為』と言いながら、実は自分の怒りを相手にぶつけて気持ちよくなろうとしているだけ、というケースもあると思います。怒りに振り回されず、冷静に穏やかに粘り強く関わっていくことが、一見遠回りなようで成長への一番の近道だと僕は考えています。」
(まいどなニュース特約・渡辺 陽)