２２日午後６時５分頃、神戸市西区の草むらで、近くに住む保育園男児（６）が死亡しているのを兵庫県警の警察官が見つけた。
遺体に目立った外傷はなかった。県警は同日、男児の祖母に対する監禁と傷害の両容疑で男児の母親とそのきょうだい計４人を逮捕。監禁・傷害事件を捜査するとともに、死体遺棄事件として男児の死亡の経緯を調べる。
逮捕されたのは、男児の母親（３４）、男（３２）、女２人（ともに３０歳）の４容疑者。男児は神戸市の集合住宅で４容疑者と、祖母（５７）の計６人で暮らしていた。
発表によると、４容疑者は３月頃から６月２０日頃の間、自室の押し入れに祖母を数十回にわたって監禁。同月１９日頃、祖母の顔や背中を鉄パイプのようなもので複数回殴打するなどの暴行を加え、けがをさせた疑い。祖母の命に別条はないという。県警は４人の認否を明らかにしていない。
押し入れの外には鍵がつけられ、祖母は断続的に閉じ込められていたという。祖母は２０日午後、４人がいなくなった隙に逃げ出した。神戸市垂水区の路上にいるところを通行人が見つけ、１１０番した。
県警は４人の行方を捜し、２２日午後、同市中央区の商店街付近で発見した。４人の供述から自宅近くの草むらで男児の遺体を見つけた。男児は服を着ていたが、靴を履いていなかった。県警によると、男児への虐待に関する通報はなかったという。
集合住宅はＪＲ西明石駅から北東約３キロの住宅街にある。
◇ 近くに住む男性は、男児とみられる男の子が、母親らしき女性からどなられる様子をたびたび目撃していた。男性は「一体何があったのだろうか」と語った。
近所の７０歳代女性は、母親が数か月前、男児の腰付近に縄をくくりつけて歩いている様子を見かけたという。「異様な光景だった。まさか男児が遺体で見つかるなんて。何かできることがあったのだろうか」と唇をかんだ。