国葬じゃなければ…。27日に行われた安倍晋三元首相の国葬には現職だけでなく元職の国会議員も数多く訪れた。
ベテラン秘書は「いろんな党派の元職の方たちの姿を見かけました。彼らが言うには『いろいろあったけど同じ仕事をしている仲間があんな形で亡くなってしまった。僕らは弔意を表す場が国葬しかない』って。反対意見は気にしていないようでした」と明かした。
今回、共産党と社民党は欠席で、れいわ新選組はボイコットという形を取った。立憲民主党は党執行役員は欠席したものの、所属議員については各自の判断に任せた。「現職の国会議員は国葬を欠席したって、これから国会で追悼演説があって、そこで全員出席で追悼できるわけですよ。元職の人たちにはそれがないから国葬しかないというんですね」(同)
一方で現職の野党議員も悩ましい判断だったという。「議員が地元で支援者から『まさか出席するんじゃないだろうな』と突き上げを食らうケースもあったようです。弔意の強制の逆が行われていることに不満を抱く議員もいましたね」(永田町関係者)
どうしてこんなことになってしまったのか。もちろん岸田文雄首相のせいである。「国葬という形を取らなければ、みんな出席できたんです。内閣と自民党の合同葬でもよかったじゃないですか。この反省から今後の国会ではどんなときに国葬になるのかというルールを作ろうという話になるでしょう。また、いくらお金がかかったという議論もある。なかなか額を出さないことが予想されるので時間がかかりそうです」(同)
本来なら回避できた反対運動で内閣支持率は低下。岸田氏にとっては手痛い失敗となった。