「10月3日の午後、玄関を開けたら捜査員とぶつかったんです。『失礼しました。神奈川県警です』と名乗っていた。何か事件が起きたんだと思いました。捜査員は十数名いて、通路にブルーシートを敷き隣の部屋から荷物を運び出していましたよ。捜査は4日ほど続きました」
容疑者の自宅の隣に住む住人は、記者にこう語った。
神奈川県警は10月17日、横浜市の女子中学生Aさんの自殺を手助けした疑いで、埼玉県さいたま市に住む建設関連会社社員・野崎祐也容疑者(28)を再逮捕した。県警は9月27日にも、Aさんを連れ回した未成年者誘拐の疑いで野崎容疑者を逮捕。防犯カメラの映像から、2人が行動をともにしていたことがわかっている。
「AさんはSNSに自殺願望をほのめかす投稿をし、それに野崎容疑者が反応します。2人は9月20日に都内で初めて会い、野崎容疑者の自宅に数日滞在。9月23日に、野崎容疑者は車でAさんを神奈川県相模原市の山間部にかかる橋へ連れていきました。Aさんの自殺を手助けするためだとみられます。
近くには民家があり日中は交通量も多い場所ですが、当日は大雨が降っていた。Aさんは、この橋から川に飛び込んだと思われます。家族からの行方不明届が出されていたため県警が周辺を捜査すると、9月29日にAさんの遺体を発見しました」(全国紙社会部記者)
野崎容疑者は逮捕当初、「(Aさんに)自宅近くだと言われたので車から(現場付近へ)降ろしただけ」と説明。その後、捜査が進むと「間違いありません」と犯行を認めた。
「野崎容疑者は、こうも供述しているそうです。『自殺願望のある少女をSNSで探していました。誘い出せたのが、たまたま女子中学生だった』と。野崎容疑者は、複数のSNSアカウントを使い分けていたそうです。しかし、事件直後に大半を削除。Aさんとの接点を、隠蔽しようとしたと思われます。
野崎容疑者は、『自殺の名所』をネットで検索していたことも判明しています。計画を実行する場所や方法を、Aさんに提案していたのかもしれません」(同前)
野崎容疑者は、女性に対し異常な執着をみせていたという。
「小・中学校時代の知人女性から話を聞くと、野崎容疑者はSNSを駆使して執拗に連絡をしていたそうです。『女の子を紹介して』『オマエはどう?』と。返信すると『今、オレ彼女いなくて』『なんとかして』と、さらにしつこくメッセージを送ってきたとか。イヤになって、連絡をとり合うのを止めた女性も多いと聞いています」(同前)
Aさんの両親は、弁護士を通じて次のようなコメントを発表している。
〈突然の最愛の娘の死に、悲しみに暮れており、今は何も考えられません。犯人に対する怒りもありますが、うまく言葉にすることができません。今は気持ちの整理で精いっぱいです〉