今、1人の女性経営者が注目を集めている。きっかけは、5月30日に放送されたテレビ朝日「グッド!モーニング」だった。「独自」と銘打ち、都内の高級インターナショナルスクールが突如閉鎖、高額な年間授業料は返還されず、子供を通わせる保護者たちが困惑していることを伝えたのだ。このスクールの創設者がリナ・ローズ氏(49)だ。
【写真】過去にはプラダを訴えたこともあるリナ氏「スクールは数年前から家賃を滞納していて、建物の所有会社とトラブルになっていたんです。裁判所の決定を経て、今年3月に明け渡しの強制執行が実施されました。いまスクールは機能していない状態です。にもかかわらず、支払い済みの授業料などの返金を求めても一切応じてもらえません」(保護者の1人)

家賃滞納や授業料返金トラブル、さらには…… リナ氏は、2015年にインターナショナルスクールXを、東京都港区西麻布の高級住宅街に開校した。校舎は地下1階、地上2階の建物。0歳から6歳まで約100人の子供が在籍する。厳密には認可外の保育施設であるが、会社経営者ら富裕層が我が子を通わせていたこのスクールは、英語や中国語など外国語教育に力を入れているとの触れ込みで、授業料をはじめ、ランチやスナック代、語学や音楽のレッスン料など、年間費用は約500万円にも達する。 テレビ朝日の直撃取材を受けた当のリナ氏は「100%何も悪いことはしていません」と自信満々に答えているが、その後、日本を離れた。東京都港区西麻布の高級住宅街にあるインターナショナルスクール「X」(現在閉鎖中)ユナイテッドアローズ創業社長「あの人はとんでもないね」 実はこのスクールを巡り、家賃滞納や授業料返金トラブルとは別に、リナ氏と大手セレクトショップの創業社長の間でも金銭トラブルが起きていたことが新たに分かった。 リナ氏が西麻布にスクールを開校するにあたり、後ろ盾となったのが、東証プライム上場企業でセレクトショップの最大手「ユナイテッドアローズ」創業社長の重松理氏(現名誉会長)だったという。2015年5月、ファッション系情報サイトは、アパレル業界の大物である重松氏が同校の「株主として参画している」と伝えている。入学を決めるにあたって、同氏の名前が信用を担保したと話す保護者もいた。 だが、重松氏に直接会って経緯を聞いてみると――。「出資はしていません。そうすると、経営に関わらなきゃいけなくなるから。知人の紹介で、子供たちのためになるならと、貸し付けをしたのは事実ですが、その後、その女性側とは裁判になりましてね。勝訴はしましたが、(お金は)戻ってきていません。あの人はとんでもないね」 当初支援者だったはずの重松氏も、今やリナ氏への失望を苦々しそうに嘆くのだ。リナ氏の反論「(家賃の滞納や未払いは)一切ありません」 一方のリナ氏はどう答えるのか。 スイスにいるというリナ氏にメールで取材を申し込むと、8000字を超える長文の反論が寄せられた。順にその主張を紹介していこう(以下、〈 〉内はリナ氏のメールより)。 リナ氏は、まず自身を〈社会的におかしいと思うことをすべてを犠牲にして最後まで戦い社会改善をする活動家〉と規定する。そして、問題となった西麻布のスクールの強制執行の経緯について、こう主張した。〈(家賃の滞納や未払いは)一切ありません。これが「エリート弁護士の違約金詐欺」で、違約金目的で、お家賃の未払いもなく、お家賃を毎月お支払いしていたところ強制執行を何度も送ってきて違約金(2億円)、強制執行停止申立担保金(5000万円)、敷金を取られ追い出された〉。 そして、ユナイテッドアローズの重松氏とのトラブルに関しては、騙されたのはスクール側だと主張する。〈社会貢献の目的で賛同したいとのお話で、プレスリリースなども社会貢献目的で発信したのに、パンデミックになり収入がゼロになったとのことで「生活ができなくなり苦しんでいる」とスクールへお話に来られ、弁護士の方達が「社会貢献ではなくローンだった、寄付のつもりもない、遅延損害金を払え」と請求してきた、というのが事実です〉 だが、重松氏の代理人は、あらためて以下のように経緯を回答している。「重松氏は2012年頃、知人からリナ氏を紹介され、当時リナ氏が開設しようとしていたインターナショナルスクールの構想や教育方針の説明を受け、何か子供の教育等に役立つことができればとの思いで、同インターナショナルスクールの運営会社に対し資金を貸し付けました。貸し付けを行ってはおりますが、同社に対する出資はしておらず、同社の経営にも一切関与しておりません。その後、重松氏の同社に対する貸付金は、一部の返済がなされたのみで、相当長期間にわたって返済がなされない状態が継続したため、貸付金の返還を求める訴訟を提起するに至り、勝訴判決を得ましたが、現在に至るまで貸付金の多くは返済されないままとなっております。なお、金額等の詳細につきましては、個人的な貸付けに関する問題であることもあり、コメントは差し控えさせていただきます」現在配信中の「週刊文春 電子版」では、リナ氏を巡るトラブルの全容や被害を訴える保護者らの肉声、過去、リナ氏を時代の寵児に押し上げたプラダとの訴訟の詳細などを報じている。(「週刊文春」編集部/週刊文春)
「スクールは数年前から家賃を滞納していて、建物の所有会社とトラブルになっていたんです。裁判所の決定を経て、今年3月に明け渡しの強制執行が実施されました。いまスクールは機能していない状態です。にもかかわらず、支払い済みの授業料などの返金を求めても一切応じてもらえません」(保護者の1人)

家賃滞納や授業料返金トラブル、さらには…… リナ氏は、2015年にインターナショナルスクールXを、東京都港区西麻布の高級住宅街に開校した。校舎は地下1階、地上2階の建物。0歳から6歳まで約100人の子供が在籍する。厳密には認可外の保育施設であるが、会社経営者ら富裕層が我が子を通わせていたこのスクールは、英語や中国語など外国語教育に力を入れているとの触れ込みで、授業料をはじめ、ランチやスナック代、語学や音楽のレッスン料など、年間費用は約500万円にも達する。 テレビ朝日の直撃取材を受けた当のリナ氏は「100%何も悪いことはしていません」と自信満々に答えているが、その後、日本を離れた。東京都港区西麻布の高級住宅街にあるインターナショナルスクール「X」(現在閉鎖中)ユナイテッドアローズ創業社長「あの人はとんでもないね」 実はこのスクールを巡り、家賃滞納や授業料返金トラブルとは別に、リナ氏と大手セレクトショップの創業社長の間でも金銭トラブルが起きていたことが新たに分かった。 リナ氏が西麻布にスクールを開校するにあたり、後ろ盾となったのが、東証プライム上場企業でセレクトショップの最大手「ユナイテッドアローズ」創業社長の重松理氏(現名誉会長)だったという。2015年5月、ファッション系情報サイトは、アパレル業界の大物である重松氏が同校の「株主として参画している」と伝えている。入学を決めるにあたって、同氏の名前が信用を担保したと話す保護者もいた。 だが、重松氏に直接会って経緯を聞いてみると――。「出資はしていません。そうすると、経営に関わらなきゃいけなくなるから。知人の紹介で、子供たちのためになるならと、貸し付けをしたのは事実ですが、その後、その女性側とは裁判になりましてね。勝訴はしましたが、(お金は)戻ってきていません。あの人はとんでもないね」 当初支援者だったはずの重松氏も、今やリナ氏への失望を苦々しそうに嘆くのだ。リナ氏の反論「(家賃の滞納や未払いは)一切ありません」 一方のリナ氏はどう答えるのか。 スイスにいるというリナ氏にメールで取材を申し込むと、8000字を超える長文の反論が寄せられた。順にその主張を紹介していこう(以下、〈 〉内はリナ氏のメールより)。 リナ氏は、まず自身を〈社会的におかしいと思うことをすべてを犠牲にして最後まで戦い社会改善をする活動家〉と規定する。そして、問題となった西麻布のスクールの強制執行の経緯について、こう主張した。〈(家賃の滞納や未払いは)一切ありません。これが「エリート弁護士の違約金詐欺」で、違約金目的で、お家賃の未払いもなく、お家賃を毎月お支払いしていたところ強制執行を何度も送ってきて違約金(2億円)、強制執行停止申立担保金(5000万円)、敷金を取られ追い出された〉。 そして、ユナイテッドアローズの重松氏とのトラブルに関しては、騙されたのはスクール側だと主張する。〈社会貢献の目的で賛同したいとのお話で、プレスリリースなども社会貢献目的で発信したのに、パンデミックになり収入がゼロになったとのことで「生活ができなくなり苦しんでいる」とスクールへお話に来られ、弁護士の方達が「社会貢献ではなくローンだった、寄付のつもりもない、遅延損害金を払え」と請求してきた、というのが事実です〉 だが、重松氏の代理人は、あらためて以下のように経緯を回答している。「重松氏は2012年頃、知人からリナ氏を紹介され、当時リナ氏が開設しようとしていたインターナショナルスクールの構想や教育方針の説明を受け、何か子供の教育等に役立つことができればとの思いで、同インターナショナルスクールの運営会社に対し資金を貸し付けました。貸し付けを行ってはおりますが、同社に対する出資はしておらず、同社の経営にも一切関与しておりません。その後、重松氏の同社に対する貸付金は、一部の返済がなされたのみで、相当長期間にわたって返済がなされない状態が継続したため、貸付金の返還を求める訴訟を提起するに至り、勝訴判決を得ましたが、現在に至るまで貸付金の多くは返済されないままとなっております。なお、金額等の詳細につきましては、個人的な貸付けに関する問題であることもあり、コメントは差し控えさせていただきます」現在配信中の「週刊文春 電子版」では、リナ氏を巡るトラブルの全容や被害を訴える保護者らの肉声、過去、リナ氏を時代の寵児に押し上げたプラダとの訴訟の詳細などを報じている。(「週刊文春」編集部/週刊文春)
「スクールは数年前から家賃を滞納していて、建物の所有会社とトラブルになっていたんです。裁判所の決定を経て、今年3月に明け渡しの強制執行が実施されました。いまスクールは機能していない状態です。にもかかわらず、支払い済みの授業料などの返金を求めても一切応じてもらえません」(保護者の1人)
リナ氏は、2015年にインターナショナルスクールXを、東京都港区西麻布の高級住宅街に開校した。校舎は地下1階、地上2階の建物。0歳から6歳まで約100人の子供が在籍する。厳密には認可外の保育施設であるが、会社経営者ら富裕層が我が子を通わせていたこのスクールは、英語や中国語など外国語教育に力を入れているとの触れ込みで、授業料をはじめ、ランチやスナック代、語学や音楽のレッスン料など、年間費用は約500万円にも達する。
テレビ朝日の直撃取材を受けた当のリナ氏は「100%何も悪いことはしていません」と自信満々に答えているが、その後、日本を離れた。
東京都港区西麻布の高級住宅街にあるインターナショナルスクール「X」(現在閉鎖中)
実はこのスクールを巡り、家賃滞納や授業料返金トラブルとは別に、リナ氏と大手セレクトショップの創業社長の間でも金銭トラブルが起きていたことが新たに分かった。
リナ氏が西麻布にスクールを開校するにあたり、後ろ盾となったのが、東証プライム上場企業でセレクトショップの最大手「ユナイテッドアローズ」創業社長の重松理氏(現名誉会長)だったという。2015年5月、ファッション系情報サイトは、アパレル業界の大物である重松氏が同校の「株主として参画している」と伝えている。入学を決めるにあたって、同氏の名前が信用を担保したと話す保護者もいた。
だが、重松氏に直接会って経緯を聞いてみると――。
「出資はしていません。そうすると、経営に関わらなきゃいけなくなるから。知人の紹介で、子供たちのためになるならと、貸し付けをしたのは事実ですが、その後、その女性側とは裁判になりましてね。勝訴はしましたが、(お金は)戻ってきていません。あの人はとんでもないね」
当初支援者だったはずの重松氏も、今やリナ氏への失望を苦々しそうに嘆くのだ。
一方のリナ氏はどう答えるのか。
スイスにいるというリナ氏にメールで取材を申し込むと、8000字を超える長文の反論が寄せられた。順にその主張を紹介していこう(以下、〈 〉内はリナ氏のメールより)。
リナ氏は、まず自身を〈社会的におかしいと思うことをすべてを犠牲にして最後まで戦い社会改善をする活動家〉と規定する。そして、問題となった西麻布のスクールの強制執行の経緯について、こう主張した。〈(家賃の滞納や未払いは)一切ありません。これが「エリート弁護士の違約金詐欺」で、違約金目的で、お家賃の未払いもなく、お家賃を毎月お支払いしていたところ強制執行を何度も送ってきて違約金(2億円)、強制執行停止申立担保金(5000万円)、敷金を取られ追い出された〉。 そして、ユナイテッドアローズの重松氏とのトラブルに関しては、騙されたのはスクール側だと主張する。〈社会貢献の目的で賛同したいとのお話で、プレスリリースなども社会貢献目的で発信したのに、パンデミックになり収入がゼロになったとのことで「生活ができなくなり苦しんでいる」とスクールへお話に来られ、弁護士の方達が「社会貢献ではなくローンだった、寄付のつもりもない、遅延損害金を払え」と請求してきた、というのが事実です〉 だが、重松氏の代理人は、あらためて以下のように経緯を回答している。「重松氏は2012年頃、知人からリナ氏を紹介され、当時リナ氏が開設しようとしていたインターナショナルスクールの構想や教育方針の説明を受け、何か子供の教育等に役立つことができればとの思いで、同インターナショナルスクールの運営会社に対し資金を貸し付けました。貸し付けを行ってはおりますが、同社に対する出資はしておらず、同社の経営にも一切関与しておりません。その後、重松氏の同社に対する貸付金は、一部の返済がなされたのみで、相当長期間にわたって返済がなされない状態が継続したため、貸付金の返還を求める訴訟を提起するに至り、勝訴判決を得ましたが、現在に至るまで貸付金の多くは返済されないままとなっております。なお、金額等の詳細につきましては、個人的な貸付けに関する問題であることもあり、コメントは差し控えさせていただきます」現在配信中の「週刊文春 電子版」では、リナ氏を巡るトラブルの全容や被害を訴える保護者らの肉声、過去、リナ氏を時代の寵児に押し上げたプラダとの訴訟の詳細などを報じている。(「週刊文春」編集部/週刊文春)
リナ氏は、まず自身を〈社会的におかしいと思うことをすべてを犠牲にして最後まで戦い社会改善をする活動家〉と規定する。そして、問題となった西麻布のスクールの強制執行の経緯について、こう主張した。
〈(家賃の滞納や未払いは)一切ありません。これが「エリート弁護士の違約金詐欺」で、違約金目的で、お家賃の未払いもなく、お家賃を毎月お支払いしていたところ強制執行を何度も送ってきて違約金(2億円)、強制執行停止申立担保金(5000万円)、敷金を取られ追い出された〉。
そして、ユナイテッドアローズの重松氏とのトラブルに関しては、騙されたのはスクール側だと主張する。
〈社会貢献の目的で賛同したいとのお話で、プレスリリースなども社会貢献目的で発信したのに、パンデミックになり収入がゼロになったとのことで「生活ができなくなり苦しんでいる」とスクールへお話に来られ、弁護士の方達が「社会貢献ではなくローンだった、寄付のつもりもない、遅延損害金を払え」と請求してきた、というのが事実です〉
だが、重松氏の代理人は、あらためて以下のように経緯を回答している。「重松氏は2012年頃、知人からリナ氏を紹介され、当時リナ氏が開設しようとしていたインターナショナルスクールの構想や教育方針の説明を受け、何か子供の教育等に役立つことができればとの思いで、同インターナショナルスクールの運営会社に対し資金を貸し付けました。貸し付けを行ってはおりますが、同社に対する出資はしておらず、同社の経営にも一切関与しておりません。その後、重松氏の同社に対する貸付金は、一部の返済がなされたのみで、相当長期間にわたって返済がなされない状態が継続したため、貸付金の返還を求める訴訟を提起するに至り、勝訴判決を得ましたが、現在に至るまで貸付金の多くは返済されないままとなっております。なお、金額等の詳細につきましては、個人的な貸付けに関する問題であることもあり、コメントは差し控えさせていただきます」現在配信中の「週刊文春 電子版」では、リナ氏を巡るトラブルの全容や被害を訴える保護者らの肉声、過去、リナ氏を時代の寵児に押し上げたプラダとの訴訟の詳細などを報じている。(「週刊文春」編集部/週刊文春)
だが、重松氏の代理人は、あらためて以下のように経緯を回答している。
「重松氏は2012年頃、知人からリナ氏を紹介され、当時リナ氏が開設しようとしていたインターナショナルスクールの構想や教育方針の説明を受け、何か子供の教育等に役立つことができればとの思いで、同インターナショナルスクールの運営会社に対し資金を貸し付けました。貸し付けを行ってはおりますが、同社に対する出資はしておらず、同社の経営にも一切関与しておりません。その後、重松氏の同社に対する貸付金は、一部の返済がなされたのみで、相当長期間にわたって返済がなされない状態が継続したため、貸付金の返還を求める訴訟を提起するに至り、勝訴判決を得ましたが、現在に至るまで貸付金の多くは返済されないままとなっております。なお、金額等の詳細につきましては、個人的な貸付けに関する問題であることもあり、コメントは差し控えさせていただきます」
現在配信中の「週刊文春 電子版」では、リナ氏を巡るトラブルの全容や被害を訴える保護者らの肉声、過去、リナ氏を時代の寵児に押し上げたプラダとの訴訟の詳細などを報じている。
(「週刊文春」編集部/週刊文春)