「その日の夜、A子から薬が写った写真とともに『フラフラになって帰れないので迎えに来てほしい』という旨のメッセージが送られてきたので、慌ててミナミまで車で迎えに行きました。会うと歩くのもままならない状態で、当初は大阪市内にある彼女の家まで連れて帰ろうとしたのですが、実家は市営団地で、階段で5階まで上がらないといけなかった。一人では運べないと思い、ひとまず自分の家に連れて戻りました。A子をベッドで寝かせ、様子を見たうえで自分も床に就きました。でも、朝起きると冷たくなった彼女が横になっていたんです」
自宅で亡くなった16歳の少女を置いて、行方をくらました58歳の容疑者。’23年12月初旬、逃亡中の橘容疑者の行方を追っていたFRIDAY記者がこれから出頭するという容疑者に接触すると、そう一方的に弁明した。
’23年11月11日、大阪・ミナミの路上で当時16歳だった女子高生のA子さんが連れ去られ死亡した事件。死因は咳(せき)止め薬の過剰摂取による急性薬物中毒の可能性が高いとみて捜査が進められている。この事件で未成年者略取の容疑で大阪府警に逮捕されたのが橘孝憲容疑者(58)だ。
「太陽光事業の会社を経営していたという橘容疑者は、事件当日、A子さんを両親の許可もなく大阪・茨木市内の自宅マンションに連れ帰った疑いがもたれています。翌朝、橘容疑者から『女性の意識、呼吸がない』と通報を受けた救急隊が自宅に駆けつけると、ベッドに横たわったA子さんを発見。その後、死亡が確認されています。しかし、自宅にはすでに橘容疑者の姿はなく、府警は指名手配をかけて行方を捜していました。そんな折、12月7日に本人が出頭し、逮捕に至りました。府警は、橘容疑者が保護責任者遺棄にあたる可能性があるかを捜査しています」(全国紙社会部記者)
捜査によって、A子さんが11日夜7時頃に大阪市内の薬局で咳止め薬4箱を購入し、橘容疑者にSNSで『迎えに来てほしい』と連絡を入れていることが判明している。
橘容疑者はA子さんとの出会いについてこう主張していた。
「彼女と知り合ったのはSNSでした。A子の親は中国の方で、その影響からか学校でもいじめを受けていると聞いていました。自分は彼女を守りたい一心で連絡を取り合うようになり、付き合い始めました。世間からみれば、おかしな年齢差というのは理解しています。でも、彼女とは確かにお互いの意志のもと、交際していました。同棲などはしておらず、余計な心配させないよう、A子の母親には自分の家の住所を伝えていました」
真偽は定かでないが、A子さんとの親密な関係を語った橘容疑者。さらにこう続けた。
「一度、彼女がひどくお腹をすかせていたことがありました。コンビニに行ってサーモンの寿司を買ってあげたんですが、店を出た際に彼女が地面に落として寿司が砂だらけになってしまった。店に戻って新しいものを買おうとしたら、彼女は砂を払って『これで大丈夫』と言ったんです。とても素直な子でした……」
事件前、橘容疑者の自宅の近隣住民は、A子さんらしき女性を目撃していた。
「橘さんが引っ越してきたのは今年の夏頃です。『以前は賑(にぎ)やかな場所に住んでいたけど、それが嫌になって静かなこっちに引っ越してきた』と話していました。女性の姿を見たのは事件が起きる少し前。自宅前に橘さんの軽トラが停まっていて、車内にショートカットで金髪の女の子が座っているのが見えたんです」
橘容疑者によれば、42歳差もありながら交際を続けていたという二人。A子さんとの関係については、こう語った。
「彼女との恋愛が、世間から理解されないものだというのは十分に理解しています。ただ、自分は本当にあの子を愛していました。僕は彼女のオーバードーズには手を貸していないし、まして殺してもいません。出頭して、警察にもちゃんと説明します」
自分が眠っている間に、A子さんが死亡していたと説明する橘容疑者だが、本当にA子さんの死に彼がまったく関与していなかったのか、真偽は不明だ。
119番に通報はしたものの、救急隊の到着を待たずに姿をくらましたことについては、弁解の余地がない。このことについて、橘容疑者はこう明かした。
「自分は覚醒剤がらみで警察の厄介になった過去があり、あの時は状況を説明しても信じてもらえないのではないかという思いがよぎった。もし彼女の死に手を貸したという疑いで逮捕されるぐらいなら死んだほうがマシだと思い、逃亡先で自殺するつもりで家を出たんです。でも、知り合いから『死んではいけない』と説得を受け、思いとどまりました……」
取材では終始、A子さんとの″真剣交際″を訴えた橘容疑者。しかし、A子さんを連れ帰り、彼女が自宅で死亡した事実はあまりに重い。16歳の少女が命を落とした不可解な事件。A子さんのためにも、事件の全容解明が待たれる。
『FRIDAY』2024年1月5・12日号より