スーパーに設置された「給水サービス」を知っているだろうか。給水機にボトルを置いてボタンを押せば、水を数リットル注いでくれるというものだ。初期費用として、ボトルの購入代金(一般的には数百円程度)はかかるが、水自体は無料で提供されていることが多い。買い物のついでにくむなど、愛用している人もいるだろう。便利ではあるが、そもそもとして、この水は水道水やミネラルウォーターとは何が違うのだろう。お勧めの使い方はあるのか、また、どのようなビジネスモデルなのかなども気になる。

給水サービスの水は2種類あるそこで今回は、給水サービスのひとつ「深海の恵水(めぐみ)」を全国に2000台以上展開している「ウォーターポイント」(広島県)に取材。ろ過の仕組みなども含め、いろいろ聞いてみた。――そもそも、給水サービスの水はどんなもの?水道水を「ろ過」して造水したもので、大きく「RO水」と「アルカリ水」の2種類に分けられます。「RO水」は逆浸透膜(0.1ナノメートル=1000万分の1ミリの穴が無数に空いた膜)を通すことで、水道水の成分を除去した純水になります。その過程でミネラルも除去されます。給水サービスとしてはRO水が一般的で、当社もこちらを採用しています。当社ではRO水は無料で提供し、そこに深海ミネラルをブレンドした軟水~硬水は有料で提供しています。アルカリ水は当社で扱っていないので、話せることは限られます。一般的には逆浸透膜を未使用でろ過し、電気分解したものです。高度活性炭などを使っていることもあります。ミネラルは残りますが水道水の成分も大部分は残ることになります。――水道水やミネラルウォーターとはどう違うの?水道水は川の水や地下水などを、ろ過して作られています。もちろん、水道水として飲用できる厳格な基準は満たしていますが、微量にいろいろなものが混在していたりします。RO水は逆浸透膜でそうしたものを除去して、純水に近い水にしたものです。ミネラルウォーターは採水地から取水してボトル詰めした飲料ですので、全く異なります。――給水サービスの水がろ過される過程を教えて。・一般的なRO水ができるまでマイクロフィルター→活性炭フィルター→逆浸透膜フィルター→RO水・当社のRO水、深海ミネラルをブレンドした水ができるまでマイクロフィルター→活性炭フィルター→逆浸透膜フィルター→中空糸膜(除菌)→RO水→深海ミネラルをブレンド→軟水、中硬水、硬水、プレミアム硬水・アルカリ水ができるまで(アルカリイオン整水器を参考)活性炭フィルター→中空糸膜(除菌)→電解槽→アルカリ水RO水は和食やお茶などにお勧め――それぞれの水はどんな用途に適している?RO水は硬度の成分(カルシウム、マグネシウムの総量)を除去しているので、(水のやわらかさは)超軟水に当たると思います。日本の水道水は硬度が低いので、アルカリ水でも軟水は多いと思われます。こうしたやわらかい水は和食や日本茶に適しています。出汁などの旨味を引き出しやすく、お茶の風味も阻害しにくいです。また、RO水は赤ちゃんのミルク用の水にも適しているといわれます。赤ちゃんは内臓が未発達なこともあり、硬度が高い水は負担になってしまうことがあるといいます。――無料でくめることが多いが、ビジネスモデルはどうなっているの?スーパーなどが「水の自販機」(給水機)として購入し、メンテナンス、水光熱費も支払っていただいております。そうしたことで、当社のようなメーカーは成り立っています。恐らくですが、買い物に来てくれるお客様への販促物として考えているのではないでしょうか。――導入しているのは、どんな施設が多い?スーパーかドラッグストアが多いですが、最近では大学にも設置されるようになりました。プラスチックごみの削減につなげようとしているところも増えてきましたね。水が綺麗でもボトルが汚れていては意味がない――給水サービスの水の保存期間はどれくらい?当社では常温で3日、冷蔵庫で7日を基本としていますが、スーパーなどではそれぞれに違った基準を設けていたりします。――水やボトル関連で注意してほしいことは?基本的にメーカーは出てくる水までを管理し、ボトルの洗浄はお客様の責任になります。水が綺麗でもボトルが汚れている可能性もあります。ボトルは日々のお手入れをして、給水するときもしっかり洗浄したボトルをお持ちください。飲用の期限も守ってください。――給水サービスに関連して、伝えたいことは?給水サービスは海外にもあり、海外では有料で販売されていたりもします。日本では「無料の水」というくくりで、考えられることが多いかもしれませんが、非常に良い水であるところも知ってもらいたいですね。ボトルを繰り返し使うことは、プラスチックごみの削減にも直結するので、環境問題の配慮にも貢献できると思っています。給水サービスの水は水道水を細かなフィルターなどでろ過したものだった。手に入ることが当たり前のように思えるが、こうした仕組みで無料の水は提供されていた。
スーパーに設置された「給水サービス」を知っているだろうか。給水機にボトルを置いてボタンを押せば、水を数リットル注いでくれるというものだ。
初期費用として、ボトルの購入代金(一般的には数百円程度)はかかるが、水自体は無料で提供されていることが多い。買い物のついでにくむなど、愛用している人もいるだろう。
便利ではあるが、そもそもとして、この水は水道水やミネラルウォーターとは何が違うのだろう。お勧めの使い方はあるのか、また、どのようなビジネスモデルなのかなども気になる。
そこで今回は、給水サービスのひとつ「深海の恵水(めぐみ)」を全国に2000台以上展開している「ウォーターポイント」(広島県)に取材。ろ過の仕組みなども含め、いろいろ聞いてみた。
――そもそも、給水サービスの水はどんなもの?
水道水を「ろ過」して造水したもので、大きく「RO水」と「アルカリ水」の2種類に分けられます。「RO水」は逆浸透膜(0.1ナノメートル=1000万分の1ミリの穴が無数に空いた膜)を通すことで、水道水の成分を除去した純水になります。その過程でミネラルも除去されます。
給水サービスとしてはRO水が一般的で、当社もこちらを採用しています。当社ではRO水は無料で提供し、そこに深海ミネラルをブレンドした軟水~硬水は有料で提供しています。
アルカリ水は当社で扱っていないので、話せることは限られます。一般的には逆浸透膜を未使用でろ過し、電気分解したものです。高度活性炭などを使っていることもあります。ミネラルは残りますが水道水の成分も大部分は残ることになります。
――水道水やミネラルウォーターとはどう違うの?
水道水は川の水や地下水などを、ろ過して作られています。もちろん、水道水として飲用できる厳格な基準は満たしていますが、微量にいろいろなものが混在していたりします。RO水は逆浸透膜でそうしたものを除去して、純水に近い水にしたものです。ミネラルウォーターは採水地から取水してボトル詰めした飲料ですので、全く異なります。
――給水サービスの水がろ過される過程を教えて。
・一般的なRO水ができるまでマイクロフィルター→活性炭フィルター→逆浸透膜フィルター→RO水
・当社のRO水、深海ミネラルをブレンドした水ができるまでマイクロフィルター→活性炭フィルター→逆浸透膜フィルター→中空糸膜(除菌)→RO水→深海ミネラルをブレンド→軟水、中硬水、硬水、プレミアム硬水
・アルカリ水ができるまで(アルカリイオン整水器を参考)活性炭フィルター→中空糸膜(除菌)→電解槽→アルカリ水
――それぞれの水はどんな用途に適している?
RO水は硬度の成分(カルシウム、マグネシウムの総量)を除去しているので、(水のやわらかさは)超軟水に当たると思います。日本の水道水は硬度が低いので、アルカリ水でも軟水は多いと思われます。こうしたやわらかい水は和食や日本茶に適しています。出汁などの旨味を引き出しやすく、お茶の風味も阻害しにくいです。
また、RO水は赤ちゃんのミルク用の水にも適しているといわれます。赤ちゃんは内臓が未発達なこともあり、硬度が高い水は負担になってしまうことがあるといいます。
――無料でくめることが多いが、ビジネスモデルはどうなっているの?
スーパーなどが「水の自販機」(給水機)として購入し、メンテナンス、水光熱費も支払っていただいております。そうしたことで、当社のようなメーカーは成り立っています。恐らくですが、買い物に来てくれるお客様への販促物として考えているのではないでしょうか。
――導入しているのは、どんな施設が多い?
スーパーかドラッグストアが多いですが、最近では大学にも設置されるようになりました。プラスチックごみの削減につなげようとしているところも増えてきましたね。
――給水サービスの水の保存期間はどれくらい?
当社では常温で3日、冷蔵庫で7日を基本としていますが、スーパーなどではそれぞれに違った基準を設けていたりします。
――水やボトル関連で注意してほしいことは?
基本的にメーカーは出てくる水までを管理し、ボトルの洗浄はお客様の責任になります。水が綺麗でもボトルが汚れている可能性もあります。ボトルは日々のお手入れをして、給水するときもしっかり洗浄したボトルをお持ちください。飲用の期限も守ってください。
――給水サービスに関連して、伝えたいことは?
給水サービスの水は水道水を細かなフィルターなどでろ過したものだった。手に入ることが当たり前のように思えるが、こうした仕組みで無料の水は提供されていた。