愛媛県西予市の縫製会社で働くベトナム人の技能実習生11人が、違法な長時間労働を強いられ、残業代を不当に安く抑えられていた疑いがあるとして、八幡浜労働基準監督署(愛媛県八幡浜市)が労働基準法違反で調査していることがわかった。
実習生側は、違法労働は3~4年にわたり、未払い残業代は総額約1760万円に上ると訴えている。
実習生から相談を受けたNPO法人「日越ともいき支援会」(東京)が9月、同労基署に申告し、会社とも団体交渉をしている。
同会によると、11人は2018~19年に来日し、婦人服などを製造する工場でミシン作業に従事。午前8時から午後5時(休憩80分)で作業する契約を結んでいたが、実際は午前6時から午後7時半までで、休憩も30分に抑えられていたという。
月の労働時間は法律で定められた上限160時間の2倍にあたる320時間だった。残業は毎日5時間に上り、このうち時給約1000円の割増賃金が支払われたのは1時間だけで、残る4時間は時給350~400円で計算されていたという。同社の社長は取材に「残業代の未払いがあったのは事実。労基署の調査中なので詳しいことは言えない」と話した。